人材育成のトレーニングは基本的に2種類に分かれる。
ご存知の通り、OJTとOff-JTだ。
それぞれどちらも使うべき手段だが、使い方を考えずにとりあえずやっているケースが多い。
今日は、こちらについて。
OJTの役割とやり方
オンザジョブトレーニングは、仕事の中でトレーニングを行う方法だ。職場内での仕事をしながらの教育は基本的にこちらに当たる。
上司が実際に部下に仕事を与え、それに伴ってトレーニングしていく方法だ。アルバイトの育成などは大体こちらだろう。
OJTでは、実際の仕事の流れがわかるというメリットがある。応用力や顧客への対応力も身につくし、突発的な対応ができるようになっていく。
また、たまたまでもうまくいったケースが何かあると、自信になり、成長が早くなる。
しかし、反面というか多くの場合、OJTに人を入れると長時間の放置状態になりがちだ。忙しさに流されてなかなか教えることができない。
また、イレギュラーも多く、基本が身につかない。とにかく突破的な対応ばかりになり、"基本的にはどうすればいいか"が、なかなか身につかない。
その場的な対応が多い為、仕事ができるようになっているかがわからないというのもある。一人でできるようになるまでどれくらいかかるんだろう、、、と絶望的になる仕事も多いはずだ。
自信は成長に直結する。自信がなくなると成長が止まってしまう。OJTのネガティブ面だ。
Off-JTの役割とやり方
反対にOff-JTでは基本をしっかりと教えられるというのがメリットだ。
失敗をしても咎められることはないし、むしろ積極的にトライアンドエラーを繰り返すことが奨励される。
仕事全体の流れや突発的な顧客対応は身につかないが、ケーススタディなどである程度の準備を事前にすることができる。
なにより、顧客を実験台にしなくて済むというのが大きい。対顧客の職業でなければ、多少のミスは新人だからといって社内でも大目に見てくれるだろう。
しかし、対顧客の職業で大でも小でもミスをしてしまうと、当然企業への満足度が変わってくる。いくら新人でも顧客が払っている費用は同じのだから、いい気持ちにならない。
また、そもそも顧客を実験台として、ないがしろにするような企業に未来はない。
OJTとOff-JTの使い分け
見ての通りどちらがいいというわけではなく、使い分けが必要だ。ベストは、Off-JTとOJTの組み合わせを短いサイクルでぐるぐると回すことだ。
まずOFF-JTで全体的に必要最低限のトレーニングをする。この研修は長期間でも構わない。1ヶ月でも2ヶ月でも必要なだけまずは実施する。
その後に職場で業務を摘んでみる。研修で習ったことが意外に使えないことに新人は気がつくはずだ。顧客対応は思った以上にできないし、イレギュラーが多いと感じるだろう。
そうしたら、再度Off-JTでトレーニングと知識補充だ。わからなかった点やできなかった点をOff-JT担当から教育をしてもらう。また、次の仕事のイメージもOff-JTでつけていく。
こちらは長期間である必要はない。1週間に1度、期間は数時間で構わない。また、徐々に回数を減らしていく。
PDCAを自分の中で回すイメージだ。
こうすることによりOff-JTの真剣度も上がるし、OJTでの仕事の覚えも早くなっていく。Off=JT中は誰かに聞いても怒られることはないどころか、褒められる。
OJTの担当とOff-JTの担当が違う場合には、OJT担当が「ここのあたりをトレーニングしてほしい」という依頼をOff-JT担当に送ると効果的だ。
OJTでの状況がわかればOff-JTの担当はやることを考えられるし、時間対効果の高いOff-JTができる。
とりあえずOJTに突っ込んでおけ、はやめよう
OJTという名の職場放置だと、特に新人はすぐにやめてしまう。
入社1,2ヶ月で辞める新人は、仕事がきつくて辞めるのではなくて、何もわからない状態で現場に入れられ、自信を喪失してやめていくパターンが圧倒的に多い。
育成計画を立て、それをきちんと明確に新人に共有し、育てていく意思を見せよう。
もし育成計画がなければこの機会に考えてみてはいかがだろうか?