新入社員研修はした方がいい?いらない?

新入社員研修
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

「うちの会社はまだ小さいから・・・」と新入社員研修をやらない企業も多い。

3日ほどマナーや全体の研修を行って、あとはOJTという名の現場だ。反対に大企業では半年から1年ほど研修をやるところも多くなっている。

実際、どちらの方がいいのだろうか?

失敗させて育てる?

「うちの会社は研修はそこそこに、失敗させて育てる」という考え方をする経営者の方は多い。

「自分も初めの頃は失敗ばっかりだったが、足掻くことで成長した。だから同じやり方で皆成長してくれればいい」という発想だ。

とても良くわかる。実際、私もこの考え方だった。

しかし、企業を経営し初めて、実際にその方針でやってみたところ、あんまり新入社員が成長している感じがしない。。。

ある程度年齢のいった人たちはこの方針で一気に成長した。しかし、新入社員だけはあまりうまくいかなかった。むしろ離職率が上がってしまったくらいだ。

なぜダメなのか? と考えていたが、あるとき次の記事に出会った。

幼稚園から小1に上がったときの問題

幼稚園から小学1年生に上がったときの問題に関する内容だった。

幼稚園の年長は幼稚園で一番上の年齢だ。下の子たちと遊んであげる機会もあるし、字の書き方なども習ってぐんぐん成長していく。とにかく自信を持って成長していく時期だ。

しかし、小学生1年生になるといきなり最小学年になる。何をしても「できない子扱い」される。だから、幼稚園の年長のときよりも自信を失って、成長が落ちるし、下手したら能力も低くなってしまうという話だ。

小学校の先生向けに、次のような言葉が載っていた。

最年長としての接し方から、最年少としての接し方に変わってしまう。小学校生活のスタートにおいては、すべてが一からのスタートではなく、自分でできるという自信をはぐくんできた子どもたちであることを十分理解しておかなければならない。

ポイントは自信をなくすと、成長速度が著しく落ちることだ。

新入社員もまったく同じで、「失敗したらその分だけ自信を失って、成長速度が落ちていた」という話だ。

失敗は失敗の元

ある程度社会人経験があれば、失敗しても「新しいことをやって失敗するのは仕方がない」と程度の差こそあれ受け入れられる。

しかし、新人はそうはいかない。

周りの先輩社員が全員できているようなことが、できない。言われたことをそのままやったつもりなのに、失敗扱いされる。どんどん自信がなくなっていく。

「できない」という気持ちは更に「できない」結果を生んでしまう。もちろん本来的には、何も準備していないのだから当然そうなるのだが、新人の頃はそう思えない。

  • 「なんて自分はダメなんだろう?」
  • 「社会人は向いていないんじゃないか・・・」
  • 「営業なんてできない・・・」
  • 「プログラミングとかまったくわからない」

そういうことで悩み出してしまう。

だからこそ、

新入社員研修はした方がいい

失敗するのは仕方がない。

しかし、研修をある程度した上で失敗して、何が悪かったのかを確認しつつ失敗させないと、ただただ自信をなくすだけで終わってしまう。

そこから持ち直すには時間がかかる。骨の折れる作業だ。

反対に一番初めからなんとなく成功してしまった営業マンなどは、その後急成長していく。うちの営業のエースだったある女性も初めての営業で案件が取れてしまい、脳みそが「私はできる!」状態になって成果を上げて、成長し続けた。

だからこそ、はじめのうちの成功確率をできるだけ上げてあげるべきだ。そのためには新入社員研修で全体像や基本はマスターしてもらったほうがいい。失敗してもダメージにならない環境であれば、ショックは受けにくい。

失敗の回数は会社にとって大事だが、それはチャレンジングなことを実施しての結果だ。周りができることを自分だけ失敗させるのは、いいことがない。

例外!

スペシャルな人材が入ってくる企業は、研修を実施するよりもとにかく行動量を増やして失敗させた方が手っ取り早く成長するだろう。

スペシャルな人材とは、「なんとなく自分が成功すると思っていて、何の躊躇もなく課題に突進していけるタイプ」だ。

頭がいいだけではない。頭がいいが、アホというか、表現が難しいがそんなタイプだ。

また、"意識高い系"も、突き抜けているタイプであれば、失敗があろうと自分のプライドで前に進もうとするのでそれはそれでいいだろう。

こういうタイプであれば研修よりも実地でひたすらに勝手に経験させた方が手っ取り早いし、成果も出してくれやすい。

ただ、そういう人材は、コンサルに行くか、急成長中のベンチャーに行くパターンが多くて、人数自体も少ない。また、そういう企業はやめてもいいスタンスで人材育成ができて、そういうところも結構違う。

一般的な企業であれば、失敗させるよりも成功させて、ある程度仕事ができるようになったら失敗するチャレンジをしてもらったほうがいい。

予算がなければ社内でも十分に研修はできる

研修というと外部というイメージが強い人もいるだろうが、必ずしも外部に研修をお願いする必要はない。予算を使わないでも研修はできる。

内部で社員の時間を使って、やればいいだけだ。

ただし、闇雲にやらずに、実際に必要なことをステップバイステップで教え、それをロールプレイングという形で実践を繰り返そう。

それだけで、本番はだいぶ変わってくる。少なくとも本番を完全に失敗する場ではなく、実践して理解を深める場に変えられる。

長ければ長いほどいいというものでもないが、1,2ヶ月は研修をした方がいいと感じている。色々な企業の中に入らせてもらって感じる経験則だ。

新入社員研修、もし実施していなければ、来年度から実施をしてみてはいかがだろうか?

1年以内に元は取れるはずだ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

このページの続きや関連ページは下記から一覧で確認できます。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*