研修はやりっぱなしになることが多い。
しかし、研修はやって終わりではなく、研修結果を追いかけて、行動を変化させるのが目的だ。
今日は研修結果を追いかける方法について、だ。
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なぜ研修がやりっぱなしになるか?
研修の大半はやりっぱなしになりがちだ。
それもそのはずで、研修担当と受講生の上長では考え方が違う。
研修担当としては、企業のため部署のため、必要となる人材育成を研修を通してやろうと思っている。
反対に、受講生の上司の大半は、仕事をしてもらいたい気持ちを抑えつつ、受講生を研修に送る。研修に送って「あげている」立場であって、研修をしてもらっている立場であることは少ない。
ここに大きな考え方の違いがある。
- 研修担当は自分の部署に帰ってからが人材育成の勝負
- 受講生の上司は研修内で完結してきてほしい
と思っている。
非常に残念なのだが、これは受講生上長の責任というより研修担当の責任だ。もしくはその上で、全体の人材育成戦略が明確化されていないのが問題だったりする。
だから、受講生の上司が研修の内容を正確に掴んでいることは少ない。研修がやりっぱなしになるのは当たり前だ。また、そもそも情報が降りてくることも少ない。
行動変化をチェックすべき上司にその情報が降りていないのだから、まともにチェック機構が働かないのは当然だ。
本来的には上長が追いかけるべき
本来的には上長が研修の内容をしっかりと理解して、1週間後・2週間後・1ヶ月後・3ヶ月後・半年後などに行動の変化を追いかけるべきだ。
研修の内容は、研修担当が上長に詳しく説明し、
- 会社にどういった問題が現場あるか?
- 今後どうなっていなければいけないのか?
- そのためにこういう研修をし、こういう変化を起こして欲しいとお願いしている
- だから、ここの部分をチェックして、変化がなければ指摘を継続的にお願いしたい
と頼む必要がある。
これが理想系。
やってくれれば、とてもありがたいし、必ず成果につながってくるだろう。
パーソナルトレーナーの役割を上司が担うわけだ。一番影響力がある人だし、常に仕事のでき等も確認している訳で、当然最もいい形だ。
では、実際には?
しかし、実際この理想通りに進めるのはかなり難しい。
- 仕事が忙しくなる瞬間が多々あって、チェックが漏れ出す
- 部下が多くて、全員を見ることはできない
- 部下が部署移動する可能性もある
- 上長が移動する可能性もある
その他、色々の理由から、半年後まで追いかけられる上司は全体の3%もいないだろう。もっと少ないかもしれない。論文が出ていたらもう少し%は上だろうが、見栄を張らない感覚的にはこんなもんだ。
だからこそ、追いかけるのを非属人化しなくてはなかなか厳しい。
追いかけの2パターン
ではどうやったら、フォローアアップを部門の上長に依存せず、非属人化できるか?
1パターン目 フォローアップ研修
研修担当が1ヶ月後・3ヶ月後・6ヶ月後などにきちんと後追いの研修をするパターンだ。上長に事前に評価をしてもらって、できている・できていないを判断してもらう。
その結果に基づいて、フィードバックを行い、行動の修正をしてもらうパターンだ。
成果は出やすいが、必然的に研修担当の負荷が増えるし、研修の回数も増える。できればやりたい形だが、大変は大変だ。
2パターン目 システムで追いかける
非属人化したくて、研修担当の時間もないときには、システムで追いかけるのが使える。
システムと言ってもそんなに難しくはない。研修終了後から自動的にメールが送れるようにステップメールを用意しておけばいい。
ステップメールを用意するのも大変であれば、自分のカレンダーにこのメールを送る、というのを記載してその日に送ればOKだ。
メールにはアンケートフォームやテストへのリンクを貼っておいて、その結果を確認して、上長に修正を依頼するパターンだ。
これなら、スケジューリングや研修場所を確保する手間は減るし、忙しくない時期を見計らって追いかけのメールと各種フォームを用意しておけば、現実的な仕事量で実施できる範囲だろう。
やりっぱなし研修撲滅を!
IT技術やプログラミングやマナーなどのスキル系の研修は構わないが、マインドや行動系の研修はやりっぱなしにするとまず成果が出ない。
成果を出すためにも、やりっぱなし研修を撲滅し、行動変化を起こす研修を実施しよう