学習能力は才能だ。学び方はスキルだ。学ぶ意思は選択だ。
The capacity to learn is a gift; The ability to learn is a skill; The willingness to learn is a choice.
作家であるBrian Herbert氏の言葉。
企業内で学習能力をつけるのは難しい
ビジネスの能力は学習と実行で伸びていくが、学習能力自体を向上させるのはなかなか大変だ。
毎日勉強している小学校などでも学習能力自体を向上させるのは難しいと言われている。
理解速度を3倍にあげたり、難しい概念をすんなり把握できるようになるというのは才能に依存している部分も多く、困難だ。
しかし学習方法は変えられる
学習方法はスキルだ。スキルであれば習得することができる。
例えば、どこの学習塾でも学習能力そのものを上げているというわけではない。学び方や最短経路での理解の仕方を教えている。
学習方法はスキルであって、学習能力を学習スキルでカバーすることは十分にできる。
学習塾で、もっとも重要なものの一つが宿題による学習の習慣づけだ。なかなかひとりでは継続して学習することはできない。
優秀な一握りの学生は自ら勉強することができるが、そういう人は塾にいかずとも参考書だけで受験にも合格する。
そうではない学生のためにこそ学習塾や予備校がある。
企業でも同じ
一握りの積極学習層は自分で勝手に勉強する。そういう層は学習能力自体が高くて、勉強することに対して脳が「快」状態になっていることが多い。学習による成長は楽しいことであって、疑問の余地なく学習ができる。
しかし、消極的学習層であればあるほど、まず学習しようという意思が出てこない。経営者や教育担当者であればお分かりだと思うが、ある程度の強制感を持って学習してもらわないと、いけないはずだ。
だからこそ、彼らには課題を与えて、成長してもらうことが肝要だ。学習スキルが高まって、学習の習慣化が進めば、勝手に成長するようになってくれる。
強制とは言え、自由度は必須
しかし、かといって、100%指示されると人間は反発したくなる。
強制的にやらされることほどつまらないものはない。つまらない状態だとまず学習は進まない。自らの意思が学習には必要になってくる。
人間は勉強させようとするとしなくなる生き物だと思った方がいい。
だからこそある程度の自由度が必要だ。
例えば、毎月一冊は本を読んで欲しいと思ったら、書評を月に一回提出してもらうようにする。ただし、本を明確には指定しない。ビジネスに関係する範囲であれば、なんでも自由として、自分で選んでもらった方が学習効果が高まる。
必須の中にも、自由な部分を作って、それについていちいち指摘しない。そうすることで、自分で学ぶ意思が少しずつ芽生えてくる。
学習意欲は自らの選択で決まってくる。
まとめ
学習への習慣づけは、課題などの設定だけではなく、企業風土によるものが大きい。例えば、全員が技術ブログを書いている会社であれば、新しく入ってきた新人も強制されずともブログを書くようになるだろう。
そういった風土も含めて、学習スキルが付けられるような何かを提供するのも人材育成の重要な仕事だ。