資産には大抵税金がかかる。
土地を持っていても、株式による配当も、利益を出しても、税金がかかる。それも割と大きめの税率で持って行かれてしまう。
税金を払うことは、企業にとって義務のひとつだ。だから節税的なものを考えるべきではないというのも事実ではあるが、それでも資産を増やしていき時価総額を大きくして行きたいというのも企業としてのありかたとして正しいはずだ。
税金がかからない資産は?
しかし、税金がかからない大きな資産が二つある。
顧客とのつながり
ひとつは顧客とのつながりだ。顧客リストとも言っていい。江戸時代の呉服屋は、家事が起きたら顧客名簿を井戸に投げ落としたという。
顧客とのつながりさえ残っていれば、商売はいくらでもやり直せるからだ。
他にも鉄鋼王で有名なアンドリュー・カーネギーも、次のように言っている。
私の全ての財産を持っていってもかまわない。ただし、顧客リストだけは残しておいてくれ。そうすれば、私はすぐに今の財産を築いてみせる
※原文が見つからなかったので真偽不明だが、言っていることはいいことだ
人材
もうひとつは、人材だ。
優秀な人材を育てるためにいくら人材育成費用を使っても、そこに税金はかかってこない。
減価償却もない。いくら使っても費用を計上して終了だ。
しかし、企業で人材が育っていけば、大きな利益が見込める。
辞めてしまうリスクがある?
人材育成をして、社員が育つと、あなたがいる企業をやめてしまうリスクもある。
それは確かに事実で、自分の能力に自信がつくと別の企業でチャレンジングな何かをしたいと思うのは人として当然だろう。
しかし、それは気にしなくていい。
これは理論云々というよりも、事実として人材輩出企業の方が利益を上げているからだ。
現在人材輩出企業として見られているP&GやGE、日本で言うとリクルートやDeNAといった企業は人材輩出企業で、人が抜けて行くにもかかわらず利益を伸ばし続けている。
理由は後付けだが、いくつも思いつくはずだ。
- 成長できるという企業の方が成長したいという優秀な人が集まってくる
- もちろん人が多く応募するようになるので、その中で選ぶことができる
いる間に十分すぎるほど利益を上げてくれる - 年齢を重ねる前に出て行く傾向にあるので、上が詰まっておらず、若い人にもチャンスがあり、変化に強くなる
などだ。
初期だけは大変になるかもしれないが、人材育成はした方が必ず見返りがある。
あなたは人材育成に経費を使っているだろうか?
人材は資産だ。人材育成により資産は増量させることができる。
大企業はもちろんのこと、中小企業にとっても人材育成に使う費用は返ってくる額が大きい。
予算や時間など様々ハードルはあるはずだが、可能な限り人材育成に取り組んで損はない。