外国籍社員向けビジネスマナー研修で伝えたい文化の3つの違いと対策

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外国籍社員向けビジネスマナー研修

外国籍社員を採用したからには、実力を発揮して活躍できるように育成していかなくてはならない。
外国籍社員に日本におけるビジネスマナーをどのように教えたら良いのだろうか。

このページでは、外国籍社員とのやりとりの中で陥るさまざな問題がどのような「違い」から生まれるものなのか、そしてどのように対策したら良いのかについてまとめている。
これから外国籍社員向けのビジネスマナー研修を実施する担当者や、外国籍社員とともに働いている人は、ぜひ参考にしてほしい。

(1)コミュニケーションの違い

外国籍社員に物の場所を伝えたり、道を案内するなど、普段のコミュニケーションから苦労するケースは多い。
例えば、外国籍社員に「この建物を出てすぐ左のビル」と伝えてもなかなかピンと来ず、「すぐとは何メートルなのか、何分くらい歩いた地点なのか」など、よい細かい情報を伝えなければならないこともある。
これは、育った国や環境が「ローコンテクスト文化」か「ハイコンテクスト文化」かの違いによるところが大きい。

ローコンテクスト文化

ローコンテクスト文化とは、シンプル、明快で、曖昧さがないコミュニケーションスタイルの文化である。
額面通りの伝達を好み、「行間を読む」ということは通常行われない。
アメリカ、オーストラリア、カナダなどはこの傾向が強い。

ハイコンテクスト文化

ハイコンテクスト文化とは、抽象的で曖昧な表現を好み、メッセージを遠回しに伝えるコミュニケーションスタイルの文化である。
「行間を読む」「空気を読む」スキルが問われる。
日本、韓国、中国など、アジア圏の国に多く見られる。

日本は「KY(空気読めない)」といった言葉が流行してしまうほどハイコンテクスト文化が浸透し、言語外のメッセージを読み取ることが重要視されている。
反対に、欧米人が「ハッキリものを言う」というイメージが強いのは、伝えるべきことをしっかり伝えることこそ正しいコミュニケーションだというローコンテクスト文化の中で育っているためだ。

「文化の理解」と「細か過ぎるくらい」の指示を

ローコンテクスト文化で育った外国籍社員は、ハイコンテクスト文化についての理解が必要だ。
日本は世界で最もハイコンテクストなコミュニケーションスタイルの国だといわれている。
外国籍社員は、日本独特の「空気を読む」「行間を読む」というコミュニケーションについてなるべく早い段階で理解しておきたい。

また指導する側は、普段のコミュニケーションでは「そこまで伝えくていいだろう」と思うような細かい部分まで明確に伝えることが必要である。
先ほどの道案内の例なら、目的地まで「何分かかるか」「目印になるものは何か」「何階建ての建物か」など、詳細に伝えることが望ましい。

(2)時間の違い

時間に対する考え方も、国や環境によって異なる。
日本は、時刻表通りに電車やバスが来るのが当たり前だ。
1分でも遅れようものなら、謝罪のアナウンスがホームを賑わす。
反対に「海外の電車は遅れて当たり前」と聞いて驚いた経験を持つ人も多いだろう。
時間の考え方には「モノクロニックタイム」「ポリクロニックタイム」の2つが存在する。

モノクロニックタイム

モノクロニックタイムとは、物事は直線的に一つ一つ順番に起こるという考え方である。
ミーティングをスケジュール通りに進めるなど、時間厳守の傾向が強い。

ポリクロニックタイム

ポリクロニックタイムとは、物事は予定外のことが起こるのが当たり前という考え方である。
時間に対して比較的柔軟に考える傾向がある。

日本はどちらかというと「モノクロニックタイム」に属する。
例えば、ビジネスシーンに限らず、定刻の数分前に尋ねるのがマナーとされている。
しかし世界には、時間前やぴったりに尋ねるのは「まだ準備が整っていないのに失礼だ」と捉える文化も存在する。

「5分前集合」の意識付けを

ポリクロニックタイムで育った外国籍社員は、「5分前集合」という日本独自の習慣を知り、慣れることが必要だ。
日本のビジネスマナーを実践することで、周囲との関係が良好になり、仕事の結果もより出やすくなるだろう。

日本は、開始時間には忠実だが終了時間にはそうでない、ということもよく指摘される。
指導する側は、外国籍社員に必要な時には残業や会議の延長もあり得ることを事前に伝えておくとともに、時間通りに終わるように会社の文化を変えていくことも必要である。

(3)人間関係の違い

日本、韓国、中国などは、年長者や目上の人を敬う文化だと言われている。
反対に欧米諸国では、年上の人に対してもファーストネームで声をかけるなど距離感が近い。
このようないわゆる「上下関係」の意識の違いも、各国によって様々だ。

平等主義的

平等主義的な文化では、フラットで上司と部下の距離の近い組織が理想とされる。
序列を飛び越えてコミュニケーションを取ることも日常的に行われる。

階層主義的

階層主義的な社会では、肩書きが重要で、上司と部下の距離が遠い組織が理想とされる。
通常は序列に沿ってコミュニケーションが行われる。

学生の部活動でさえも上下関係を重んじる日本は、明らかに階層主義的な社会である。
仕事をする上でも、基本的には上司の確認や了承を得てから意思決定をすることが多い。
また、内容に関わらず、上司への反論などもあまり良しとされない。

平等主義的な社会で育った外国籍社員は、特に何も考えず、普通のこととして上司に反論する。
その文化の違いをお互いに理解し、誰もがモチベーション高く働ける環境を作りたい。

「一度は受け入れる」練習を

平等主義的な環境で育った外国籍社員は、すぐに反論するのではなく、一度は相手の意見を受け入れる練習をすることが必要だ。
「そのような意見もありますね。しかし、こういった考えもできるかもしれません。」というように、相手(の意見)を否定しないで自分の意見を主張するスキルを身につけさせたい。

また指導する側は、外国籍社員が「自分の意見を押し殺す」ことなく積極的に発言できるように、文化の違いについて理解しておかなければならない。

まとめ

ここまで、外国籍社員向けビジネスマナー研修で伝えたい文化の3つの違いと対策についてまとめてきた。

日本式のビジネスマナーや営業手法を磨くことで、社内でのコミュニケーションはもちろん、顧客とのコミュニケーションを円滑に図ることができるようになる。

外国籍社員が実力を発揮して活躍できるよう、ビジネスマナー研修を活用して相互理解を深めてほしい。

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