クレーム電話対応研修で伝えたい7つの正しい手順と5つのNG行動

クレーム電話対応
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若手社員がうまくクレーム対応できずに困っている管理監督者は多い。

クレーム対応には、対面対応、メール対応、電話対応があるが、特に電話対応に苦手意識を持つ若手社員が増えている。

このページでは、若手社員のためのクレーム電話対応研修で伝えたい7つの正しい手順と5つのNG行動についてまとめている。
クレーム対応が苦手な人やクレーム電話対応研修の実施を考えている研修担当者はぜひ参考にしてほしい。

若手社員は電話が苦手?

若者は電話をしなくなったといわれる。
近年では、電話でのコミュニケーションを重視している学生は2%にも満たないそうだ。
これは、スマホ世代の連絡手段が電話からメールやチャットに移行しているためである。
電話で話すことがあっても、固定電話ではなく携帯電話のため、「自分の知らない誰か」から突然かかってくることは少ない。
そのため、友達となら電話で普通に話せるが、「自分の知らない誰か」の場合はどう出たらよいのか、どう伝えたらよいのかがわからない。
だから電話は苦手だと感じてしまうのは、ある意味仕方のないことである。

クレーム電話対応の必須スキル

クレーム電話は一般的な電話とは違い、突然怒鳴られることもあれば、対応によりさらに大きな問題へと発展してしまうこともある。
そのため、相手に失礼のない言葉遣いや話し方だけでなく、短時間で相手と関係を築くことができるコミュニケーションスキルも必要だ。

クレーム電話対応研修では、一般的な電話ビジネスマナーに加え、コミュニケーションスキルを高めるための演習を多く取り入れたい。

クレーム電話とクレームメールの違い

同じクレームでも、メール対応と電話対応は大きく違う。

クレームメール対応は、文字によるコミュニケーションだ。
文字でのやり取りのためお互いの気持ちが伝わりにくいのがデメリットだが、定型フォーマットで初期対応することができ、経験が浅くても対処しやすいというメリットもある。

クレーム電話対応は、声によるコミュニケーションだ。
声でのやり取りのためお互いの感情がダイレクトに伝わり、それがメリットにもデメリットにもなる。
クレーム電話をかけてくる人は、対応者「個人」ではなく「会社」と話しているつもりであるため、スタッフ全員が同じレベルで適切な対応ができるようにスキルを身につけておかなければならない。

クレーム電話対応の7つの正しい手順

クレーム電話対応研修では、クレーム電話への7つの正しい手順について伝えたい。

(1)3コール以内で電話に出る

クレーム電話では、特に相手を待たせないよう迅速に電話に出ることが必要だ。
もし3コール以内で出られなかったら、必ず「大変お待たせしました」と丁寧に添えてから話を再開すること。

(2)誠意が伝わるようにしっかり話を聴く

クレーム電話では、相手の話に合わせてこまめな相槌をしたり、「仰る通りです」「お気持ちわかります」など相手を認める言葉を入れながら話を聴くことが重要だ。
相手が「私の話をちゃんと聴いてくれている」「私の気持ちを理解してくれている」と思うと、その先の手順にスムーズに進むことができる。

(3)相手が求めていることを把握する

クレーム電話では、相手の話をただ聴くだけではなく、相手が何について怒っているのか、何を求めているのを把握することが必要だ。
必ずメモを取りながら聴き、そのクレームがどこから生まれたものなのか、「最終的に何をしてほしいと思っているのか」について考えながら対応すること。

(4)お詫びをする

クレーム電話では、表情が見えない分、特に気持ちを込めてお詫びを伝えることが重要だ。

お詫びには2種類ある。
1. 非を認める正式なお詫び。
2. 相手の怒りを鎮めてクレームを長期化させないためのお詫び。

初期の段階で必要なお詫びは、2の相手の怒りを鎮めるためのものだ。
ポイントは、「全面的なお詫び」ではなく、「限定的なお詫び」にすることである。

<限定的なお詫びの例>
・相手に不快感を与えてしまったことに対するお詫び
 →「まずはご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。」

・相手が感じている不満に対するお詫び
 →「この度はご迷惑をお掛けして、申し訳ございません。」

・手際の悪さに対してのお詫び
 →「お待たせしてしまい、申し訳ございません。」

このような「限定的なお詫び」をクレーム対応の初期段階でしっかりしておくことで、多くのクレームは沈静化していく。

「事実関係がはっきりしない段階でお詫びする必要はない」と考えているスタッフがいたら、少なくとも「相手は忙しい中で電話をかけてきている」、「相手の貴重な時間を使わせている」という事実に気づかせるところから指導すると良い。

(5)クレーム内容を復唱して確認する

クレーム電話では、「正確なクレーム内容を把握するため」、そして「相手に話を聴いていることを伝えるため」に、クレーム内容を復唱することが必要だ。
クレーム内容を正確に把握した上で対応しないと、何度も同じクレームが繰り返されてしまう可能性がある。

(6)クレームへの解決策を提案する

クレーム電話では、最後に相手が納得する改善案を提案することが必要だ。
改善策は、対応した個人がすることではなく、企業として取り組むことを提案するのが良い。
例えば、商品に不備があった場合は交換するのか返金するのか、スタッフの対応に不満があった場合は組織としてどのような指導を行うのか。

その場限りの解決策でなく、企業としてどう取り組むのかについて事前に決めておくとクレーム電話対応がスムーズに進む。

(7)ご指摘いただいことに感謝を述べる

クレーム電話では、最後にご指摘いただいたことに対する感謝を伝えることも重要だ。
お客様からのご指摘には、企業がより発展していくためのヒントが多く隠されている。
しかし、ほとんどのお客様は不満を感じても何も言わないものだ。
わざわざ時間を使いクレームを言ってくれたお客様に対し、「貴重なご意見をありがとうございました」、「ご指摘をいただき、たいへん参考になりました」と心から感謝の気持ちを伝えること。

最後に、電話はお客様より先に切らないことも大切である。

クレーム電話5つのNG行動

クレーム電話対応研修では、クレーム電話対応でやってはいけないNG行動についても伝えたい。

(1)長い保留で相手を待たせる

電話の保留で待つのは30秒が限界だといわれている。
クレーム電話の場合、相手は通常の電話よりも3倍長く感じると考えたほうが良い。
また、担当をコロコロ変えるのはたらい回しにされていると感じて、相手にとって大きなストレスとなる。

(2)相手の話を遮る、否定する

相手がクレームについて伝えようとしている際に、話を遮ってこちらから話し出すのは厳禁だ。
またこちらの主張を初めから押し通すことは相手を否定することに繋がるため、基本的にはやらないほうが良い。

(3)「普通」「絶対」を使う

「普通」という概念は人によって違うため、「普通は考えられないです」などような言葉は使わない方が良い。
また、解決策を提案する際にできない約束をすることも禁物である。
「絶対にお約束します」などとは言わないほうが賢明だ。

(4)「D言葉」を使う

D言葉とは、「だって」「どうせ」「ですが」「でも」など、マイナスの印象を与える言葉のことだ。
これらは言い訳のように聞こえてしまうため、クレーム電話対応では避けた方が良い。

(5)憶測で回答する

自分の知らないことなどや判断できないことを、決して憶測で言ってはいけない。
事実と違うことを伝えたり、会社の意向に反する回答をしてしまうと、さらに大きなクレームへと発展してしまう可能性がある。

まとめ

クレーム対応は、どんな人でも嫌なものだ。

特に、電話でのコミュニケーションが少なくなった世代にとって、クレーム電話対応はより苦手意識があることだろう。

このページを参考にしてクレーム電話対応研修を実施し、適切なクレーム対応ができるスタッフが増えることを願っている。

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