20人〜100人くらいの規模感の会社だと、人材育成の担当者がいることは少ない。
新入社員が入ってくると、人事部の採用担当が兼任で対応して、採用でバタバタとしながらもなんとか研修を数週間実施し、現場に送り出しているのではないだろうか?
人材育成は現場に任せてしまうということになる。
いい面もあるが、企業規模を大きくするためには悪い面も大きい。
人材の成長が止まる
基本的に新入社員は、その上司がお手本になる。だから、優秀な上司のもとにつくと部下は成長するし、ダメな上司の下につくと部下もダメになる。
もちろん例外は有り余るほどある。例えばダメすぎる上司だと部下の方がしっかりしたりするが、普通に仕事ができる上司で部下も新入社員であれば、一般的にはそうなってしまうだろう。
上司の仕事が基準値になるからだ。それ以上は仕事だと思わないし、そもそもそういう認識にならない。顧客への対応や費用の使い方や営業へのスタンスや掃除の手抜き具合まで、上司が基準値だ。
だから、人材を現場の担当者に任せていくと、だんだん人材の質は落ちてくる。
上司が部下に教えて、その部下が数年経って上司になって同じように教えて、、、、というのを繰り返すと徐々に劣化してしまう。経営者を頂点として、人材の能力というか意識が下がっていってしまうわけだ。
時々突然変異の人材が出てきて、会社をひっくり返してくれたりもするが、こういう存在は偶発的で、狙って育てられるものではない。
普通の新入社員は、上司の劣化バージョンになってしまう。そうすると、会社全体の成長が徐々に止まっていく。
では、どうすればいいか?
経営者が教えるというのもひとつの手だし、これはこれでやった方がいい。毎週でも毎月でも、経営者自身の手で教育をすると効果はある。
もうひとつの手は、きちんと人材のゴールを設定しておくことだ。
会社のミッションやビジョンはお題目であっても決めている会社は多いだろう。しかし、人材のゴール地点は示されていないことが多い。
いわゆる人材育成のミッションだ。これが決まっているか否かで、人材位の育成は全然変わってくる。
人材ミッションを軸として、行動規範や職能などを整備していく。
上司は、自分がこの領域も艶達していないと思ったら、自分も努力しなければいけないし、新入社員は明確にここを目指せることになる。
上司によっての隔たりも減っていく。
実際、弊社でも人材ミッションからの落とし込みを実施をしたが、やはり効果的だった。
1年目は、「経営的人材」というとりあえず適当に決めてしまった目標だったが、それでも研修の内容は会計の話や粗利益思考の話が多くなったし、それぞれが自分の能力がまだまだなことを自覚して、改善するように動いてくれた。
会社の風土を作る必要はあるが、確実に内容理もあった方が効果的だ。
現在は、「日本で一番勉強する会社」という人材ミッションを掲げているのが、そこに向かって色々な施策が自動的に動くようになっていく。
もちろんもっと分解して構わない
もちろん人材ミッションだけだと新入社員にとって厳しい。
会社のミッションと人材ミッションを合わせて、分解して、新入社員1年目の目標を設定してあげる必要がある。もしくは、一緒に設定すればいい。
そこを基準にして、どう行動起こしていくかを上司は毎月追いかけ続け、フィードバックをし続ける。上司のレベルがまだまだであれば、上司自身もいい勉強になるだろう。
経営陣も半年に一回は面談の機会を作る。上司がボトルネックになって成長していないという可能性もここで少しは解消できる。
ゴールを決めて、そこを分解せして、成長戦略を練る。企業自体とまるで変わらないが、人材にこそ必要な方法論だ。
まとめ
人材を育成したければ、人材ミッションをまず決めよう。
はじめは適当で構わない。私もよくわからないかったので適当に決めたが、それでも効果があった。そのうち明確に固まってくるはずだ。
ぜひ、人材育成の参考にしていただければと思う。