どうやって企業内学習を習慣化するか?習慣化のコツとは?

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「これは自主的にやってもらいたい」という習慣ごとはないだろうか?

日報を提出するであったり、PDCAシートは必ず記入してから行動をするなり、人材育成を進めるのに色々とやってほしいことはあるはずだ。

しかし、多くの場合どうしても一過性になりがちで、継続しない。習慣化はなかなかに難しい課題だ。

今日は、習慣化のコツについてご紹介しよう。

習慣化がなぜ難しいか?

習慣化が難しいのは誰かの責任ではない。そのスタッフの意志やコミット力が特別に弱い訳ではなく、もともと新しいことを始めるというのは誰にとってもしんどいのだ。

例えばランニングを毎日しようと思っても、多くの人は3日坊主になりがちだろう。これは新しいことに対して、体や心が拒否反応を示すからだ。

人間も動物なので本能はある。本能に従うと、「新しいこと = 命の危険があること」だ。

現代の我々はそんなことはないが、はるか昔は確実にそうだった。新しい場所にいくと猛獣がいるかもしれないし、新しい木の実を食べると毒が入っているかもしれない。「変わる」というのは命の危険を伴う行為だった。

本能的に、新しいことは危ないというか危険が伴うと思っているので、新しい状態を維持するのは至難の技だ。

あなたが経営者であったら、「いや、そんなことはない。私ははじめから新しいことをどんどんやってきた!」というかもしれないが、それはむしろ変わらないことの方に危機感を感じていたという場合が多い。新しい施策を打たないと会社が潰れる、などだ。

人間の先祖様だって食料がなくなったら、危険をおかして冒険の旅に出たはずだ。

しかし、社員はそれほど危機感を感じてはいない。それが普通だ。そういうものだと思って、ではどうしたらいいか?を考えるほうがいいだろう。

どうしたら習慣化ができるか?

エンジニアの勉強やマーケティング担当のCMの定期チェックやDMの収集、マネージャー人の読書や、グローバル企業での英語学習などはとにかく習慣化してほしいものだ。

こういったものを習慣にするためにはどうしたらいいか? 個人でやる場合と企業でやる場合にはやはり違う。ここでは、企業がどうしたらそれを実現できるのかに絞ってお伝えする。

「強制力」は便利なツール

個企業で習慣化をするのであれば、「強制力」は有益な手段だ。これは個人でやろうとしたら家庭教師などを使わないといけない。企業経営者だったら、コンサルを雇わないといけない。

しかし、企業内では費用がかからないので、費用対効果抜群の手段だ。

実際の作業を指定して、必ず実施の有無をチェックをすればいい。

新入社員の日報などは必ずチェックするはずだ。だから、ほとんどの場合、サボってやらないということはない。日本人は基本的にまじめな人種だ。だから、チェック体制を作れば、多くの場合うまくいく。

弊社の事例でいうと、スタッフは週に一度1000文字の文章を書くように決められている。テーマは会社のミッションについての話や行動規範について、ビジネスに関する知識や教育に関する自分の考え方などだ。"意識高い系"と揶揄されそうな内容だが、毎週とにかくアウトプットすることが重要だと思っている。その分インプットも多くなるからだ。

この習慣は全員が何曜日担当というのが決まっている。だから、書き込まないと上長からお叱りを受ける設定になっている。また全員に公開されている環境に書くため、自分だけやらないというのは非常にきまりが悪い。

このように強制力や衆人環視はとても有益だ。

一番の問題は、指示や管理をする人間がサボることで、そちらの方が実は可能性が高い。こちらも習慣化する必要がある。

自主的にやってほしいことに関しては?

問題は自主的にやってほしいことの習慣化だ。

  • 新しいアイディアを出すためのノート書き
  • 習慣的な英語の勉強
  • ニュースを見て見聞を広める
  • ビジネススキルを自主的にあげる
  • 読書

などは強制力を働かせるべきか悩む案件だろう。そういったときは次のようにするといい。

とりあえず2ヶ月1ヶ月間毎日やってもらう

習慣化するのは難易度が高ければ高いほど時間がかかる。途中で面倒になる確率が高いので当たり前と言えば当たり前だ。

習慣化にかかる平均日数は66日というのが研究結果として出ている。ただこれは、バラバラの内容を実施した時の平均値で、より重要なのは「個人差よりも実施する内容に依存する」ということだ。

内容による習慣化の時間はこのようになる。

行動する習慣は1ヶ月

英語の勉強や、毎日ニュースを見るなどの習慣付けには1ヶ月かかると言われている。

身体に関する習慣は3ヶ月

ダイエットや早起き、運動などなど身体の変化に関する習慣は3ヶ月かかる。より危険度を増すため、本能が拒否するためだろう。

思考を変える習慣は6ヶ月

メンタルの習慣化、例えばポジティブ思考をネガティブ思考にかえるなどというのは6ヶ月かかると言われている。会社の売上思考を利益思考にかえるなども6ヶ月かかる。

 

仕事に関することは多くの場合、行動する習慣の中に収まるはずだ。であれば、一ヶ月だけ企業側で矯正して続けて、あとは本人の意思に任せるという方法はなかなかに有効だ。

実際、新入社員に新聞を取り、はじめの一ヶ月間に発表してもらっていたが、すぐにニュースを読むことに慣れてくれた。ニュースを読むのが大事というより、ビジネスに関心を持ってもらうことが大切だと思っているが、結果こちらもうまく進んだ。

本人の意思に任せるとは言っても、定期的な定点観測は必要だ。やめてしまっていたら、折を見てまた一ヶ月感強制するようにする。また、もちろん一ヶ月だけという話ではなく、続けてほしい意思は伝えないといけない。

一ヶ月強制する時のポイント

一ヶ月間強制する時のポイントは次の通りだ。

初日から完璧を求めない

はじめの一週間は、とにかくやればいいくらいのスタンスで構わない。うるさく「ここがダメ」「ここはこうした方がいい」とは言わないことだ。

はじめから完璧を求めると嫌になってその行動に負の感情が入ってしまう。若干あれ?と思うような内容でも実施したことをまずは褒める。指摘は構わないが、とにかく続けることの方が大切だという話だ。

毎日やってもらう

習慣化するまでは毎日やってもらうことが大切だ。週5ではなく週に7日という意味の毎日だ。

週5日などでやるとなかなか習慣化しづらい。まして毎週というのは結構厳しい。ほんの5分でも構わないから、毎日続けるというのが習慣化のコツだ。

早起きを習慣にしようとしても「土日はいいや」とやると、結局月曜日起きれなくなるのと同じだと思ってほしい。

一ヶ月間だけは毎日やってもらう。その後は週5でもいいだろう。

きちんと未来像を示す

これを続けることで何がいいのか?を明確に伝えるべきだ。

英語の勉強であれば、英語を勉強しないと会議に出られなくなるというムチでもいいし、海外に2年間勤務できるというアメでもいい。

アメかムチ、もしくは両方を提示して、習慣化する意義を伝える必要がある。ただやみくもに、これをやれ!といっても、人間なかなか行動できないのはお分かりだと思う。

習慣化こそレベルアップの近道

売上が上がっている店舗の店長は掃除や客数の動向を毎日チェックして、対策を打っているタイプが多い。そういったタイプは好調を維持できるし、問題が出たらすぐに対処ができる。

英語の学習でいくら企業側が費用をかけても、結局毎日リスニングのトレーニングなどをしてくれないと身につくことはない。

プログラミングなどでも同じで、休みの日を使って新しい技術を学んでくれよ、と思っている人事担当者経営者は多いだろう。仕事中だとなかなか新しいことを覚えることはできないし、毎週でなくていいから、勉強会に参加したらい、展示会に足を運んだりしてほしいと思っているはずだ。

結局伸びるのは習慣化ができている人で、そういう人は将来会社を前に進める人材になる。

できれば100%自主的にやってくれればいいが、そういう訳にもいかないはずだ。本人にやりたい!という気持ちがあっても続かないということもある。

どうしたても「こうなってほしい」ということがあれば、習慣化のコツを参考にしていただければと思う。

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