経営者が直接教育をする効果

経営者による教育
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

あなたがもし経営者で、会社がひとつの方向に向いていないように感じるなら、あなた自身による教育はとても有効だ。

1年間もすれば、劇的に会社が変わること請け合いだ。

放っておいてもミッションや行動規範は浸透しない

外部の講師を呼んだり、社内の優秀な社員に講師として登壇してもらい、研修をしてもらうことはよくある。

また、3,4年目の社員を新入社員のメンターとして教育を完全に任せるというのもよくある光景だ。

しかし、ミッションや行動規範、新しいルールというのは社員に教育を任せていると浸透していかない。

なぜなら心からそのミッションを実現したいと思っているのは社長だけだからだ。少なくとも、まずはそう思ったほうがいい。

続いて幹部、続いて本部長クラス、続いて・・・・とどんどんその想いは薄れていく。

自分が社会人1年目の頃を思い出せばわかると思うが、そういった「お題目」的なことは聞き流して、なんとも思わないのが新入社員という時期だ。

そのまま成長すれば3年目になり、部下ができ、同じように聞き流すように教育してしまう。

だからこそ経営者が、常にこれらについて情報を発信し、教育をし、熱を与え続けないとどんどんどんどん会社全体の熱が薄れてきてしまう。

中小企業の場合

中小企業の場合であれば、理念や行動規範の教育は必ず社長がやったほうがいい。

社内に優秀な人材は多くはないだろうし、大体そういう人材は実務でとても忙しい。教育自体がおざなりになってしまいがちだ。

テクニカルな面の研修はもちろんスタッフに任せても構わないが、ポイントは考え方や行動規範、会社に方向性についての教育は社長以外できないと思ったほうがいいだろう。

中小企業の場合、ミッションを熱く語れる社員はそう多くない。

これはスタッフの責任というよりも、経営者の責任だが、とにかくそういう状態であるのが普通だ。

であれば、やるべきことは、社長が社員に向かって語りかけることだ。小さい会社だからこそできることだ。

弊社でも毎月必ず全員参加の研修を行っている。また、個々人に対して毎月1対1での面談をしている。教育というのが主ではないが、そこで必要ならアドバイスなどもしている。

人数規模が数十人だからできることではあるが、社員教育の一番手っ取り早い方法だ。

1年経つとかならず効果が出てくる。はじめは忙しくて、やめたくなるかもしれないが、結局企業は人だ。中にいる人のレベルがすべてを決める。自分だけで全部やろうと思っても現実的には不可能だ。

いかにして多くの社員の仕事の方向性を合わせるか、ゴールを見据えた上での行動にしてもらえるかは、は経営者の教育次第だ。

大企業の場合

大企業の場合は社長が直接教えるのは難しくなる。

教育のために人を集めるといったって、人数が多すぎて集めることがそもそもできないだろう。

それでも経営者が全員に語りかけるという行為は会社にとって絶対に有益だ。

日本一の経営者に何度も選ばれている日本電産の永守会長は、毎週土曜日を研修に当てて、いろいろな子会社や支社に飛び回って研修をしている。

実施しているのは、テクニカル面の教育ではない。考え方の教育だ。

うちはこういう考え方でやっているから、こういう風に動いて、ここのゴールを目指してみんなで頑張っていきましょう、というのを如何に何度も何度も伝えられるかだ。

1回だけだと100%変わらない。100回伝えてようやく少し浸透というところだろう。完全に同じ考えてになってもらうためには、1000回ではきかない。

飛び回らなくても方法はある

対面の効果はやはり大きいが、現実的に物理的に・地理的に厳しいという場合もあるだろう。

そういったときには、ライブで動画を配信するというのも効果的だ。録画ではなく生というのがポイントだ。

録画を見るというのは、ライブよりどうしても効果が薄い。何度も止められるし、早く送りも戻すこともできる。結果として、1回1回の視聴に真剣味が出てこないからだ。

ライブ配信動画であれば、研修としての効果は高い。

また、スターバックス元社長である岩田氏は毎週必ず全社員向けにマネジメントレターと称して長文のメールを送っていたという。

全支店を回るのは無理だから、想いや方向性や注意などをこのメールに込めて送っていたのだ。

ファーストリテイティングの柳井社長も毎年元旦に、かなり熱の入った長文のメールを送っている。

メールはとても重要なツールで、目に止まって残ることからも効果が高いものの一つだ。

slackやガルーンなどの社内コミュニケーションツールに投稿する形でも構わない。

弊社ではslackを利用して、毎週2000文字程度のメッセージを書き込んでいる。これはとても効果的で、社内の方向性が固まっていく様子が日々感じられるほど有益だ。

社長による教育

GEのCEOであるジェフリー・イメルト氏は社内講師を積極的に勤めている。前任のウェルチ氏も相当教育熱心だったようだ。

ネスレ日本の高岡社長も同じようにいろいろな教育を行っているし、パナソニックの松下幸之助氏やキヤノンの御手洗氏、京セラの稲盛氏なども社内教育に積極的だったという話が残っている。

先の日本電産の永守会長は現在企業内学校のための大規模施設を設立中だ。

時間も労力も使い、かなり大変な作業ではあるが、社長による教育は必ず効果が出る。

社内が乱れてきた
もっとミッションドリブンな経営をしたい
社員に熱を持って仕事をしてもらいたい

と思っているのであれば、なんとか時間を捻出して、実際に社長教育を実施してみてはいかがだろうか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

このページの続きや関連ページは下記から一覧で確認できます。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*