社内カウンセリング研修で覚えさせたい「ラポールの形成」とは?

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社内カウンセリング研修

従業員のキャリア形成支援やモチベーション向上、離職率の低下のために、社内カウンセリングの導入が進んでいる。

しかし、社内カウンセリングをどのように進めるべきか悩んでいる担当者も多く、スキルアップのための研修を行う企業も増えてきた。

このページでは、社内カウンセリング研修で一番初めに覚えさせたい「ラポールの形成」についてまとめている。
研修担当者や社内カウンセリング担当者はぜひ参考にしてほしい。

ラポールとは何か?

「ラポール」とは、フランス語で「架け橋」を意味する言葉で、カウンセラーと相談者の「信頼関係」のことである。
信頼関係がなければ、相談者は心を開いて悩みを打ち明けることはできない。
カウンセリングを進めるためには、まず相談者とカウンセラーの間で信頼関係の構築=「ラポールの形成」をすることが必要だ。

ラポールの形成に必要なこと

ラポールを形成するためには、以下の3つについて理解し、実践することが必要である。

(1)相手を尊重する意識

相談者には、相談者が生きてきた時間や経験があり、その中で形成されてきた考えや物の見方がある。
そのため、カウンセラーには「普通」のことでも、相談者には「普通」でないことがほとんどだ。

社内カウンセリング研修では、「相談者には相談者の価値観がある」という相手を尊重する意識を学ばせたい。

(2)類似性の法則

類似性の法則とは、「人は自分と似たものに対して好感や安心感を持つ」というものである。
初めて会ったカウンセラーと会話をする際、境遇や体験、趣味、持ち物、好きな音楽など、自分との共通点が見つかると心の距離が一気に縮まる。

社内カウンセリング研修では、相談者との共通点を見つけることの重要性を理解させたい。

(3)ペーシングとリーディング

ペーシングとは、好感や安心感を与えてラポールを形成するために「相手に合わせること」である。
リーディングは、ラポールが形成できた後に質問や提案を行い、「相手の変化を導くこと」をいう。

社内カウンセリング研修では、ペーシングとリーディングをペアで学ばせたい。

社内カウンセリング研修で教えたいテクニック

社内カウンセリング研修では、様々な演習を通して、以下のようなラポール形成の実践テクニックを身につけさせたい。

(1)ミラーリング

ミラーリングとは、相手の動きなど、相談者の行動(ボディランゲージ)を真似してラポールを形成するテクニックだ。

例えば、相談者が足を組んで椅子に座っているのであれば、カウンセラーも足を組んで座る。
相談者が眼の前にある飲み物を飲んだら、カウンセラーも目の前の飲み物を飲んでみる。
相談者が腕組みをしたら、カウンセラーも腕組みをする。

また、動きだけでなく表情でもミラーリングは可能だ。
相談者が心配そうな顔をしたら、カウンセラーも心配そうな顔をする。
相談者が笑っていれば、カウンセラーも笑顔にする。
瞬きの速度を合わせるのも効果がある。

(2)マッチング

マッチングとは、目に見えない非言語について、相談者に合わせながらラポールを形成するテクニックだ。
目に見えない非言語とは、例えば、会話のスピードや声のトーンなどである。

相談者の話すペースに合わせて、極端に遅くなったり早くなったりしないように意識しながらカウンセラーが話すことで、相談者に抵抗感を与えることなくカウンセリングを進めることができ、ラポールの形成がしやすくなる。

社内カウンセリング研修では、ペアを組んだ演習で、相手の行動や表情、声のトーンなどを意識しながら、ミラーリングやマッチングを実践トレーニングさせたい。

(3)バックトラッキング

バックトラッキングとは、相談者の言ったことに対し、相談者が使った言葉をそのまま繰り返すテクニックである。
「オウム返し」というとイメージしやすいかもしれない。

バックトラッキングのポイントは、相手の話した「事実」を返すことだ。

<バックトラッキングの例>
相談者:「職場の人間関係で悩んでいる」
カウンセラー:
 ○正しい返し 「職場の人間関係で悩んでいるのですね」
 ×間違った返し「職場の人間関係で困っているのですね」

重要なのは、相談者が使った言葉と同じ言葉をそのまま使って返すことである。
相談者が「悩んでいる」という言葉を使ったら、カウンセラーも「悩んでいる」という言葉を使う。
もしカウンセラーが「困っているのですね」と返すと、相談者は「悩んでいるだけで困っているわけではないんだけど・・・」とズレを感じ、ラポールを形成することが難しくなってしまう。

社内カウンセリング研修では、バックトラッキングの練習を通して、「自分の話を聞いてもらえている」「自分のことを理解してくれている」という感情が生まれることを実感させたい。

(4)傾聴

傾聴は、相談者について理解するための基本テクニックである。
社内カウンセリング研修では、以下に注意して傾聴ができるように練習させたい。

適度な相槌

相談者の話を聞きながら適度に相槌を打つと、相手に安心感を与えることができる。
相手が息継ぎをしたタイミングや話の切れ目ができたときに相槌を行うと良い。

要約する

「こういうことで合ってますか?」と相談者の話をまとめて、理解していることを相手に伝える。
要約する際には、相談者が使用した言葉をそのまま使うのがポイントである。

質問する

相談者がこれから話したいであろう内容を想像して質問し、話を引き出していく。
相手の表情を見ながら、何を質問するべきか判断することが必要である。

口出し、反論、評価はしない

相談者がどんなに間違ったこと言っていても、口には出さず、我慢して話を聞く。
また、その内容について評価してはいけない。

まとめ

ここまで、社内カウンセリング研修で覚えさせたいラポールの形成についてまとめてきた。

研修を通してラポールの形成についての理解を深め、日々の業務でさらにスキルアップしながら、社内カウンセリングを進めていってほしい。

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