「ゆとり世代」と聞いて、あなたはどのようなイメージを思い浮かべるだろうか。
「あまりいい印象がない」「どう接したらいいのかわからない」などと思っている人も多いだろう。
事実、「ゆとり世代」の育成に悩んでいる人事担当者や研修担当者は多い。
このページでは、そのような人のために、ゆとり世代強化のために知っておきたい基礎知識についてまとめていく。
Contents
ゆとり世代とは
ゆとり世代とは、いわゆる「ゆとり教育」を受けた世代を指す言葉で、およそ1987~2004年生まれの人がその対象となる。
一口にゆとり世代、と言ってしまうことが多いのだが、実は以下の3パターンに分かれている。
□ゆとり第一世代
中学生のときに「ゆとり教育」になった (1987~1989年生まれ)
□ゆとり第二世代
小学生のときに完全週5日制になった (1989~1995年生まれ)
□脱ゆとり世代
小学生~中学生の間に「脱ゆとり」に教育方針が切り替わった(1996~2004年生まれ)
これらのうちで、一般的な「ゆとり世代」のイメージとなっているのは【ゆとり第二世代】だ。
この年代の多くは、ちょうど今の若手社員に当てはまるだろう。
ゆとり世代が生まれた背景
ゆとり世代を語る上で一つ肝に銘じておきたいのは、「ゆとり教育」は決して失策ではなかったということだ。
かつての年功序列・終身雇用の時代では、「いい大学に入る」「一流企業に入る」ことだけを目標として、ひたすらに詰め込み、暗記する教育を行っていた。
しかし、終身雇用が崩れた現代では、厳しい社会で生き残っていくために、与えられたものを覚えるだけでなく、自分自身で考え、選んで決めることのできる力をつけることが必要となってきた。
「ゆとり教育」は、そのような時代背景を元に、これまでの「詰め込み教育」から脱却し、「生きる力」を養うための教育を目指していたのである。
その方向性自体は一概に間違いとは言えず、それは近年、「キャリア教育」という形で再度導入され始めている。
ゆとり世代の特徴
ゆとり世代に対するイメージとして、以下のようなものがよく挙げられる。
・指示待ち人間が多い。
・出世意欲がない。
・打たれ弱い。
・叱られるとすぐやる気を失くす。
・コミュニケーション能力が低い。
・仕事外での付き合いが悪い。
・仕事よりもプライベートを優先する。
これまでの「ゆとり教育」が、ゆとり世代の若手社員の人格形成に少なからず影響を与えていることは否定できない。
ゆとり世代はどう思っているのか
実は、ゆとり世代の若手社員も自分たちのことを「ゆとり」だと思っていることが多い。
ある調査によると、【自分自身を「ゆとり」だと思っているかどうか】という質問に対し、3人のうち2人が【「ゆとり」だと思う】【どちらかというと「ゆとり」だと思う】と回答したそうだ。
しかし、周囲から「ゆとり」と呼ばれることについては抵抗がある人が多いようで、同じ調査で【「ゆとり」と呼ばれることに対してどう思うか】という質問に対し、2人のうち1人が【嫌だ】【どちらかというと嫌だ】と回答したということだ。
つまり、若手社員は自身が「ゆとり」であることは自覚しているものの、上司から「ゆとり」と呼ばれることに対しては抵抗がある、ということである。
ゆとり世代の強化のために
できれば若手社員が自らを客観視して、働くことへの意識を変え、今後の目標を高く掲げて、会社に貢献できるようになってほしいと思っているものだ。
そのための一つの手段として、ゆとり世代強化研修がある。
ゆとり世代を強化するために、研修では以下の項目について指導するとよい。
(1)自分自身について知る
ゆとり世代はどのように見られているのか。
ゆとり世代の強み、弱みは何か。
(2)周囲とのつきあい方を知る
上司、同僚、顧客とどのようにつきあうべきか。
周囲が期待していることは何か。
(3)仕事との向き合い方を知る
仕事の目的は何か。
成果を出すためにどうしたらよいか。
(4)ビジネスの仕組みを知る
ビジネスはどのように成り立っているのか。
会社における自分の役割は何か。
ポイントは、若手社員が納得感を抱きながら、会社のために自身の長所をどう活かしていくのか、短所をどう補っていくのかを考えていけるようなカリキュラムにすることだ。
まとめ
ここまで、ゆとり世代強化のために知っておきたい基礎知識についてまとめてきた。
ゆとり世代に偏見を持つことなく、ゆとり世代の特徴をいかしながら、彼らの成長と会社の発展を同時に実現していきたい。
このページを参考にゆとり世代強化研修を行い、一人でも多くの若手社員を早期に戦力化できることを願っている。