【3分でわかる】睡眠改善がもたらす効果と実践のポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
睡眠改善

私たちが想像しているよりも、睡眠に問題を抱えている人は多く、日中の仕事のパフォーマンスや成果が上がらず悩んでいる人は多い。

このページでは、睡眠改善のポイントについてまとめている。

社員や部下から、睡眠や日中の不調について悩んでいると相談を受けている人事担当者やマネージャーは、ぜひ参考にしてもらいたい。

日本は睡眠不足の国

あなたは普段、睡眠をどれだけ取れているだろうか。

睡眠時間を削って、仕事に充てる人もいれば、趣味やリラックスするための時間に充てる人もいるだろう。

とかく、睡眠のための時間は軽視されがちだ。

特に、日本人はその傾向が強い。
日本人の平均睡眠時間は、この半世紀で緩やかに減少している。
総務省統計局の調査(2016年の10歳以上の土日を含む週全体の平均)によると、全国の平均睡眠時間は7時間42分だったそうだ。

では、世界の睡眠事情はどうだろうか。
OECD(経済協力開発機構)の調査(2014年の各国の15歳~64歳までの男女)によると、南アフリカの睡眠時間が最も長く9時間22分だったそうだ。

つまり、日本は南アフリカよりも1時間40分も睡眠時間が短いということだ。
また、世界主要国29カ国の中で、韓国に次いで2番目に睡眠時間が短いということもわかっている。

日本は、世界的に見て“睡眠不足の国”と言うことができる。

睡眠不足の原因

日本の平均睡眠時間がここまで短くなってしまっている一因として、24時間営業の店舗や、パソコン・スマートフォンの普及が挙げられる。
生活の夜型化が進み、就寝時間が次第に遅くなっているのだ。

さらにその傾向に拍車をかけているのが、日本人の睡眠に対する意識の低さである。

海外では、子供から高齢者まで睡眠改善教育が行われていることも珍しくない。

しかし日本では、幼稚園から大学まで、どの段階を見ても睡眠改善教育はほとんど行われていない。

日本は「睡眠」という分野において、海外から大きく遅れをとっているということだ。

睡眠改善しないと危険な理由

充分な睡眠が取れないと、どんな影響(問題)があるのだろうか。

睡眠不足によるストレスの増加

睡眠不足が続くとストレスが増加する。

人間は睡眠中に頭の中の情報を整理している。
ストレスも睡眠中に整理され、自然と減っていくのだ。

しかし睡眠不足が続くとストレスを整理することができずに、どんどん溜まっていくことになる。

あまり眠れなかった次の日に、普段なら気にも留めないようなことでイライラした経験もあるだろう。
これはストレスが睡眠で整理されずに、次の日に残ってしまったことに起因する。

睡眠不足はストレスを増加させ、ストレスは睡眠障害(中途覚醒、早期覚醒、入眠困難など)を引き起こす、という悪循環に陥ってしまう。

睡眠不足による血圧の上昇

睡眠不足は血圧も上昇させる。

睡眠が足りていないと、自律神経の一つの交感神経が優位になり、活発に行動するためのアドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが分泌される。

これらのホルモンは、血圧や心拍数を上昇させ、人間の体を活動に適した状態にする。

もちろん、日中にこれらのホルモンが分泌されることは重要だが、睡眠不足だと夜間もこれらのホルモンの影響で血圧が高くなる。

血圧が高まると循環器系疾患のリスクが高まるので注意が必要だ。

睡眠不足による集中力の欠如

睡眠不足が続くと集中力が欠如し、勉強や仕事など、集中しなければいけない行動のパフォーマンスが落ちてしまう。

また、日中に極度の眠気に襲われ、一瞬意識が飛んでしまうこともある。
乗り物を運転する職業の人が睡眠不足状態だと、重大な事故を引き起こす可能性があるため、特に注意が必要だ。

睡眠不足による疲労感、倦怠感

身体の疲労は、食事をしたり、入浴したりすることで、ある程度回復させることができる。

しかし、最も効果的な疲労の回復法は、やはり睡眠を取ることだ。
スポーツマンがスポーツで酷使した筋肉の損傷や疲労は、睡眠時に回復され、より強い筋肉になっていく。

また、脳の疲労は、睡眠でしか回復させることができない。
十分に睡眠が足りていないと、疲労感や倦怠感に襲われ、やる気が出てこないこともある。

イライラしたり、怒りっぽくなる

睡眠不足が続くと、些細なことでイライラしてしまうことがある。
普段よりも怒りっぽくなり、友人や同僚とのコミュニケーションが取りにくくなることもあるだろう。

睡眠不足で交感神経が優位になると、アドレナリンなどのホルモンが分泌される。

これらのホルモンは、肉体を活動的にするために必要なものだが、同時に攻撃性を増してしまうという効果もある。

そのため、睡眠不足が原因でイライラしやすくなってしまうのだ。

睡眠不足による自律神経失調症

人間の自律神経には、交感神経と副交感神経がある。

 【交感神経】 心身を興奮させ、日中に活発に活動する際に働く
 【副交感神経】 心身を落ち着かせ、夜間に休息を取る際に働く

日中は、交感神経が優位になって活動する。
夜間は、副交感神経が優位になって就寝する。
朝が近づくにつれて、交感神経の働きが大きくなって起床する。

我々は、このサイクルを繰り返しているのだ。

自律神経失調症とは、これらの自律神経のバランスが乱れることで発生する。

大半の場合、交感神経が優位になり、十分な休息が取れなくなることで心身に悪影響が及ぶ。
睡眠不足が続くと、交感神経が優位な状態が続き、心身が常に興奮した状態となるため、ゆっくりと休むことができなくなってしまう。

その結果、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて自律神経失調症となってしまうのだ。

睡眠改善のメリット

「24時間戦えますか」というキャッチフレーズが昔流行したが、現代では共感を覚える人は少ないだろう。

労働の生産性や効率性が問われ、質の高い睡眠なくして高いパフォーマンス(結果)は望めないと、多くの人が気づいたからだ。

睡眠の効果

眠っている間というのは、ただスイッチオフになっているわけではない。

 ・脳と体を休める
 ・成長ホルモンを分泌して骨や筋肉の成長を促す
 ・免疫力を高める
 ・ストレスを解消する
 ・記憶を脳に刻み整理する

など、脳や体に欠かせないメンテナンスを行っている。

睡眠と覚醒

このメンテナンスがしっかりされると、朝スッキリ目が覚めたり、頭が冴えるといった、質の高い「覚醒」がもたらされる。

睡眠と覚醒は、一方が良ければもう一方も良くなる、逆に一方が悪ければもう一方も悪くなるという、密接な関係にある。

睡眠改善により睡眠の質が上がると、その結果、質の高い覚醒を得ることができる。
それが睡眠改善による最大のメリットだ。

ベストコンディションに導く実践睡眠改善

では、どのように睡眠改善を行えばよいのか。

毎日のように睡眠不足が続いていると、「睡眠負債」が溜まり、睡眠不足を回復させることは難しくなる。

そうなる前に、一日でも早く、以下に注意して睡眠改善に取り組んでもらいたい。

一日のスタートは睡眠から始まる

時計が0時から始まるように、一日は睡眠から始まると考えるのが良い。

一日を質の高い睡眠から始め、まず自分にとって必要なエネルギーを睡眠により確保する。

そして、日中に最高のパフォーマンス(結果)を達成するための覚醒力を手に入れる、ということを意識して、睡眠を大切にしてほしい。

睡眠時間を増やす

日中に眠気や不調を感じるなら30分でも長く眠る工夫をすること。

睡眠時間が足りているかどうかを知る最も有効な方法は、日中の心身の状態や覚醒レベルを自分で観察することだ。

朝の目覚め感がいまひとつで、たびたび眠気や疲労感を覚えるようなら、今よりも睡眠時間を増やす必要がある。

時間をやりくりして睡眠時間を捻出するように努めてほしい。

入浴時間で睡眠改善

就寝の2時間~1時間半前までに入浴すること。

質の高い睡眠を得るためには、入浴の時間帯に注意する必要がある。

寝る直前の入浴はNGだ。
脳を休ませて眠りにつくためには、脳の温度を下げることが必要だが、入浴直後は脳の温度が急上昇し、神経が興奮しているため横になっても眠れない。

入浴から少し時間をあけて就寝するようにしてほしい。

睡眠リズムを一定にする

起きる時間を一定にすること。

社会人の生活はそう簡単ではないが、毎日なるべく同じリズムで生活することが、最も基本的な睡眠改善の方法だ。

可能な限り調整を行い、同じ時間に起きて、同じリズムで生活することを心がけてほしい。

太陽光で睡眠改善

午前中の太陽光は、日中の覚醒レベルを高める最強のツールである。

自然の太陽光には、体内時計に働きかけて睡眠と覚醒の正しいリズムを維持したり、覚醒作用や抗うつ効果、自律神経の調節などといった効果がある。

朝起きたら、まず太陽光を浴びる習慣を付けてほしい。

カフェインで睡眠改善

目の前の眠気を取るには、カフェインを摂取するのが確実な方法だ。

カフェインが一時的に眠気を取る効果は、科学的に実証済みである。
ただし、眠気は取れても疲れが取れたわけではないので飲みすぎには注意が必要だ。

また、もし昼寝をするなら、時間は20分以内とし、寝る前にカフェインを摂取しておくと良い。
ちょうど起きる頃にカフェインが全身に行き渡り、質の高い覚醒が得られるといわれている。

まとめ

日本人の睡眠時間は世界でも突出して短く、諸外国と比較して1日1時間以上も短い。

米国のシンクタンクの試算では、睡眠不足のために生じる社会的損失は、日本国内だけで年間1380億ドル(約15兆3千億円)にも達するといわれている。
それでいて、時間当たりの労働生産性では、日本はOECDでも中位以下で、先進国でも後塵を拝しているのが現状だ。

大手企業の社員が過労によって自殺するなど、いくつもの悲しい出来事を経て、ようやく睡眠改善の必要性、重要性が認識され始めている。

このページを参考に、ぜひ今日から睡眠改善に取り組んでもらいたい。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*