電話応対は、仕事をしていく上で基本的なスキルの1つだ。
顧客からの問い合わせや取引先への営業電話、社内の内線など、電話の種類は様々だが、どれも日常的に行っている業務である。
日常業務であるということは、常に評価され続ける業務ということだ。
電話応対は、受話器の向こうの相手との直接的なやり取りである。
そのため、受け手・掛け手の与える印象がそのままダイレクトに企業の印象へと繋がっていく。
ここで問題となるのは、「新入社員の電話応対レベル」だ。
このページでは、電話応対にあたる新入社員が目指すべきスキルレベルと、そのためのスキルアップ研修のポイントについてまとめていく。少しでも人事担当者や研修担当者の参考になれば嬉しい。
Contents
電話応対のクレームの原因
電話応対がうまくいかず、クレームになることはとてもよくあることだ。
クレームの主な原因には次のようなものが挙げられる。
□商品が原因
(商品に満足できない/広告と商品に違いがある/商品が届かないなど)
□スタッフが原因
(挨拶ができない/敬語が使えない/融通が利かない/非常識な対応をされたなど)
□コミュニケーションが原因
(想像と違う/聞いていない=購入前の説明不足/署名・捺印による確認不足など)
上記の「スタッフが原因」「コミュニケーションが原因」に代表されるようなクレーム要因は、担当者の話し方や対応力の影響を強く受けるものとなっている。
はたして、新入社員もベテラン社員と同じようにクレームにならないような電話応対ができるレベルにあるだろうか。
危ないなと感じる場合は、電話応対のスキルアップ研修の実施をお勧めする。
電話応対研修があると新入社員も安心
新入社員の側に立って考えてみても、研修があることは大きな安心感になる。
電話応対自体は、誰でも少なからず経験していることだろう。
しかし、最初はどうしても緊張するものだ。
また、当たり前だが新入社員は自社のルールや商材についての知識が浅い。
そのため一人では対応しきれない事態が必ず発生する。
企業のためにも、新入社員のためにも、基本的な知識やスキルは、研修で身につけておいたほうが無難だと言えよう。
新入社員の電話応対の第一目標は「失礼のないレベル」
新入社員がまず目指すべき電話応対レベルとは?
その答えとなる1つの基準は、「相手に失礼のないこと」だ。
新入社員は、特別上手い電話応対ができなくても良い。
相手に失礼がなく、丁寧だと感じてもらえるような対応ができること、そしてわからないことが発生した際に適切に先輩や担当部署に取り次げることが、新入社員がまず目指すべき電話応対のレベルである。
これさえ押さえておけば、大きなクレームにつながることもなく、新入社員として最低限のクオリティを確保することができる。
新入社員に知っておいてほしい電話応対のポイント
電話応対のポイント1:要件を簡潔に伝えること
電話を掛ける際のポイントは「要件を簡潔に伝えること」だ。
基本的に社会人は忙しいものだ。
もちろん時間帯を選んで電話を掛けるわけだが、それでも相手の時間をこちらの要件に割いてもらっていることに変わりはない。
そこで、いかに簡潔に要件を伝達・相互承認するかが大切になってくる。
情報のまとめ方・簡潔な伝え方を身につけておくことで、電話掛けのスキルは格段に向上する。
電話応対のポイント2:要件を正確に受理すること
反対に、電話を受ける際には「要件を正確に受理すること」がポイントとなる。
電話を受ける際は、自分が対応する場合も、担当者に取り次ぐ場合も、情報の正確さが重要となる。
言った・言っていないというトラブルや内容の齟齬が生じることを防ぎ、スムーズなやりとりをするためにも、先方の社名・名前はもちろん、要件の詳細にいたるまで決して曖昧にしてはいけない。
そこで必要となるのは、メモ・復唱という確認方法と、不明点を明確にするための質問方法だ。
これらを学ぶことで、電話受けのスキルは磨かれる。
電話応対のポイント3:トラブルに適切に対処すること
電話応対において、トラブルはつきものだ。
例えば、下記のようなトラブルがよく見受けられる。
・相手の声が小さくて聞こえない。
・電波状況が悪くてうまく聞き取れない。
・電話が途中で切れてしまった。
・間違い電話がかかってきた。
・電話でお店までの道案内を頼まれた。
相手の声が聞き取れない場合、何度か聞き返すことになるため不快感のない質問の仕方が必要とされる。
また場合によっては、一度切ってこちらから掛け直す必要があるだろう。
その際には、こちらが悪いわけではなかったとしても、より丁寧な対応を心がける必要がある。
その他、間違い電話や道案内など、電話応対で発生するトラブルの対処法を押さえておくことはとても重要だ。
電話応対は実践トレーニングが必須
いくら座学で知識を学んでも、実際の業務で活かすことができなければ意味がない。
そのためには、実際に「自分で声を出して電話を掛けてみる/受けてみる」ことだ。
実践トレーニングを行うことで、自分の習熟度を実感することができる。
例えば、実践により下記のような課題が浮き彫りになってくることもある。
「思っていたよりも敬語がすらすら出てこなかった」
「電話を取り次ぐ際にもたついてしまった」
「話すとどうしても早口になってしまう」
その際は、トレーニング中の応対を録音し、後から聞いて、フィードバックを受けると良い。
自分の話し方や話した内容を聞くと、それまでに気づくことができなかった自分の癖を見つけることができるため、とても価値のある機会となるだろう。
まとめ
電話応対は相手との直接的なやりとりであり、ダイレクトに企業の印象に響いてくる。
そのような極めて重要な業務に新入社員が初めて従事する際には、クレームを防ぐためにも、そして新入社員のためにも、基礎知識・基本スキルは押さえておくことが必要だ。
これから新入社員を迎える人事担当者や研修担当者には、「要件を簡潔に伝える」「要件を正確に受理する」「トラブルに適切に対処する」「ロールプレイング・録音」などを押さえ、効果的なスキルアップ研修を実施してもらいたい。