社会人に必要な文章力とは?

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文章力向上

上司への日々の日報、社内の情報共有メール、業務マニュアル、プレゼン資料、取引先への報告書、メールでのダイレクトマーケティング、SNSでの顧客とのコミュニケーション、マスコミを使ったプレスリリース。

現代のビジネスパーソンにおいては、文章を書かない日はないといって良いだろう。
われわれにとっては、文章を書くことそのものが仕事なのである。

そのため、部署を問わず全てのメンバーに総合的な文章力を身につけさせたい、という研修担当者は多いことだろう。
この記事では、仕事で必要とされる文章力とはどのようなものなのかについてまとめている。
社員の文章力強化を考えている研修担当者や人事担当者、個人的に文章力をアップさせたい人はぜひ参考にしてもらいたい。

文章が書けない人に必要なこと

「文章がうまく書けない」と悩んでいる人は多い。
おそらく伝えたい内容(文意)は持っている。
しかし、文章構成(文脈)を意識的に考えた経験がないため、最初の一文が書き出せないのだ。

「りんごが好きである」ことを伝えたいという気持ちはあっても、
「ここにりんごがあります」という事実から始めるのか、
「世界中で好まれている果物があります」と一般論から入るのか、
「私はりんごが好きです」と結論から述べるのか、
迷ったまま書き始めると、文章がまとまらずメッセージが伝わらない。

最初の一文からはじまり、説得力のある文章を完成させるには、文章の全体構成を見渡せる視野が必要である。
その視点を身につける第一歩となるのが、文章構成法という「文章の型」を体に通してみる体験だ。

文章力を高めるために「文章の型」を身につけよう

ビジネスにおいて、誰もが常識だと思うような文章の型であっても、数年前に学生だった新入社員などは、意外と知らないものである。
社会人としてなるべく早いうちに、応用が可能な「ベタな」文章の型に触れておくことをおすすめしたい。

実際の現場では、ビジネスレターに特化した型、論文に特化した型など、いくつものスタンダードがある。
Webサイトを中心としたマーケティングの観点から、結論や要点を先行させる傾向が強まるなど、時代の変化に対応した流行のようなものだ。

しかし、最初に学ぶのはどれでも構わない。
型に合わせて論旨を組み立てる「感覚」を身につけることが重要なのだ。
それが、ひいては、文章構成を意識して、文章全体を見渡せる能力を得ることにつながるのである。

文章構成法ピックアップ

ここで古来から使われる《いにしえ》の型をいくつか取り上げてみたい。
論理的な文章構成として「PREP法」を、物語的な文章構成として「起承転結」を挙げている。
見慣れた説明も多いだろうがお付き合いいただきたい。
それらが、現在でも十分に学ぶべきものであるという補足も加えてある。

論理的な文章構成「PREP法」

結論を冒頭に持ってくることが特徴である、おなじみの文章構成法だ。
シンプルであるがゆえ、文章はもちろん、プレゼンテーションなどでも採用されることが多い。

基本的な構成

 《P》POINT 結論
 《R》REASON 理由
 《E》EXAMPLE 例示
 《P》POINT 再び結論

 例文としては、以下のようになる。

 《P》りんごは、誰もが好きなフルーツである。
 《R》なぜなら、たくさん食べられているし、また、いろいろな調理方法もある。
 《E》まず、日本では約80万トンものりんごが生産されている。
    大陸を問わず作られていて、世界全体の生産量は約9,000万トンと言われている。
    食べ方も幅広い。生食はもちろん定番だし、アップルパイや焼きリンゴのような菓子になる。
    ジャムのような保存食にもなる。カレーに加えてもいいし、ピザや煮込み料理もあるそうだ。
 《P》りんごは、世界の人々に愛されているのだ。

ツリー構造がポイント

PREP法のポイントは、結論を先に述べて、主題をはっきりさせることだ。
文章の構造としては、ツリー構造を描く。
「結論」を頂点に置き、「理由」といういくつかの幹に分岐させる。
それぞれの理由の枝に連なる小さな絵枝が「例示」である。

最初に結論を知っていることで、その後の理由や例示が理解しやすいものとなる。
相手を迷わせることなく、簡潔に用件を伝えられるのだ。
ビジネスシーンでは、まず最初に検討されるべき構成といえるだろう。

新入社員においては、シンプルなツリー構造を、頭と体になじませておくことが論理的な文書力の第一歩になる。
文章力向上研修のプログラムには欠かせない要素といえる。

物語的な文章構成「起承転結」

日本では特におなじみである起承転結も、文章構成法のひとつだ。
漢詩の絶句というスタイルに由来している。

基本的な構成

構成は以下のように《起・承・転・結》で表される。
多くの種類の文章で使用されるため、そのいくつかの視点で記述してみる。

 《起》話のはじまり
 《承》話の展開
 《転》話の転換
 《結》話のおわり

 《起》状況
 《承》事件
 《転》解決
 《結》終幕

 《起》話題の提示
 《承》話題の展開
 《転》見方の転換
 《結》意見の提示

「転」を難しく考えすぎない

物語の構造としても語られることが多い構成法なだけに、転について、なにか舞台装置ごとの大きな転換が必要に思っている方も多いだろう。
それが起承転結を気軽に持ち込めない原因になっているようだ。

しかし、転は、なにも世界をひっくり返す必要はない。
「転」の文字のとおり、視点を転ばせることでも十分効果を発揮する。
つまり立場や見方を転換するのだ。
以下の例文ようなちょっとしたスタンスの変更でも起承転結は成り立つ。

 《起》りんごは美味しい。
 《承》りんごは日本中で愛されている。
 《転》青森や長野などで、たくさんのりんごが作られている。
 《結》今日も多くの日本人がりんごを食べるのだろう。

 《起》りんごは美味しい。
 《承》りんごは世界中で愛されている。
 《転》別名、悪魔の果実とも言われている。
 《結》危険なほどに美味しいということである。

「起承転結」を効果的に使う

「起承転結」は、「転」で類推的に話が転じることが多く、ロジカルに進むことを保証する文章構成法ではない。
論理的に説得するよりも、興味をひくことに向いている構成である。
長文の最後に結論がくることが敬遠される傾向にある今日では、短文の構成において意識して使ってみてもいいだろう。
広告やSNS、熱のあるコミュニケーションなどでは、起承転結を意識した文章が、大きな共感を呼ぶこともある。

文章力向上研修では、相手や場面にあわせて、自在に文章の書き方を選べるようになることも目標の一つに設定すると良い。

型で書く感覚を、体に馴染ませよう

「PREP法」も「起承転結」も、型に合わせて文章を展開していく「感覚」さえ身につけば、次第に文章全体が見えてくるだろう。

あとは、伸び伸びとライティングをすれば良い。
慣れてしまえば、組み合わせたり、あえて型から外れるのも良いだろう。
とにかく、一度、型で書く感覚を体に馴染ませることが重要なのだ。

文章力は日常業務で鍛えられる

日常の業務では、構成法とにらめっこしながら文章を書く必要のない場合もある。
しかし、そのときでも、いくつかの文章構成法を身につけておくことで、実務のスピードの中で文章作成が可能になる。
「ここで理由を述べているからには、いくつかの例示をいれよう」
「散漫な印象のプレゼンにならないよう、各パートの最後に結論を再度述べておこう」
「淡々とした報告が中心となっているが、転として顧客の視点を入れて話を締めよう」
といった具合に、タイピングする手が止まることはないだろう。

文章力研修の場をつくろう

文章力のために、わずかな時間を投資しよう

日常業務でトレーニングしていくためにも、まずは正しく効果的な文章の書き方を体系的に学んでおくが必要だ。
長い社会人生活のごくわずかな時間を投資して文章力を身につけることはとても有意義である。
文章力が、一本のメールから大きなプレゼンまでを助け、ひいては会社へ大きな価値をもたらすこともあるだろう。
新入社員だけでなく、まだ文章構成の型を理解していない中堅のビジネスパーソンにとっても、文章力の研修を受けさせる価値は大きい。

第一歩として、まずは、スタンダードな文章術の学びの場を作ることが大事である。
ベーシックな文章構成を体感できるような文章力研修を準備することをおすすめする。
昔も今も、ビジネスの情報は、まずは文章によって伝わるのだ。

まとめ

ほとんどのビジネスパーソンの仕事は、文章を書くことである。

書けないメンバーに必要なのは、文章の構成を見る力である。
それは、ベーシックで簡単な文章の型(構成方法)を意識することで得られる。
文章の構成を体になじませるきっかけとして、文章力研修の場をつくることをおすすめしたい。

記事を読んでくれたあなたの組織に、一人でも「書けるメンバー」が増えることを願っている。

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