【5分でわかる】デザイン思考の基礎知識と5ステップ

デザイン思考
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近頃、「デザイン思考」という言葉を耳にする機会が増えてきた。

このページでは、デザイン思考についての基礎知識と、デザイン思考を進めるためのプロセスについてまとめている。

デザイン思考を身につけたい若手社員だけでなく、部下にデザイン思考を身につけさせたいマネージャーや企業の研修担当者はぜひ参考にしてもらいたい。

デザイン思考の「デザイン」とは?

デザインという言葉の意味を聞いて、どのようなものを思い浮かべるだろうか。

デザイン思考における「デザイン」とは、色や装飾のようなものではなく、問題を見つけ、解決に導く方策を考えて実行するという、「問題解決のための設計」のことだ。

例えば、普段使っている傘を思い浮かべてほしい。
傘は、空から降ってくる雨で濡れてしまうという「問題を解決するためにデザイン」されたものだ。
傘の色を赤色にしようとか水玉模様をつけようという『傘そのもののデザイン』と、「問題を解決するためのデザイン」とでは、同じデザインという言葉を使っていてもその意味が大きく異なる。

デザイン思考の5ステップ

デザイン思考を進めるためのプロセスは、以下の5つのステップから構成されている。
デザイン思考による商品開発を例にして考えてみよう。

デザイン思考(1):共感

まず、どんな問題があるのか把握するために、対象者=ターゲットを決定し、その対象者について情報収集していく。

商品開発における情報収集では、ターゲットにインタビューしたり、類似商品を使用しているシーンを観察するなど、具体的な一次情報を集めることが大切である。

対象者の生活や気持ちに寄り添い、同じ視点を持つこと、つまり「共感」がデザイン思考のスタートとなる。

デザイン思考(2):問題定義

次に、情報収集したターゲットに関する情報をもとに、何が問題となっていて、どんな商品が必要とされているのかを分析する。

問題定義で大切なことは、一人で行なわずに、「チームで行なう」ということだ。

チームの一人ひとりが消費者に共感し、何が問題なのか真剣に考えることで、一人では得ることができなかった気付きやアイデアが生まれる。

デザイン思考(3):創造

問題定義ができたら、次はその問題を解決するためのアイデアを出していく。

アイデア出しは、ブレインストーミングやマインドマップなどの方法で行うのが良い。
それが最終的に現実可能か?などを考えるよりも、まずはチームでより多くのアイデアを出すことが大切だ。

アイデア出しが思うように進まない時は、定義された問題とは逆のことを考えるようにすると、解決に近いアイデアを出すことができる。

デザイン思考(4):プロトタイプ

アイデアが創造できたら、次はそれを作ってみる。

ここで求められるのは、完成品を作るということではなく、不完全な状態でもいいのでとりあえず作ってみるということだ。

絵に書いたり、ダンボールで作ったり、まずはプロトタイプを作ってみて、チーム全員でアイデアの方向性について共有する。

プロトタイプを早い段階から作成することで、今のアイデアが実現可能なのかについても気付けるというメリットがある。

デザイン思考(5):検証

プロトタイプを作成したら、それが問題を解決できるかどうか検証を行う。

プロトタイプを検証するときには、そのプロトタイプのどの要素を評価するのかを明らかにしておくことが必要だ。
例えば、見た目なのか、機能なのかという具合だ。

プロトタイプはまだ未完成なものなため、足りないところを探してもきりがない。
検証の際には、「どうすればもっと良くなるか」という視点で考えていくことが大切である。

デザイン思考を繰り返す

デザイン思考は、上記のプロセスに沿って一通り進めるというよりも、各ステップを行ったり来たりしながら、繰り返し行っていくものである。

例えば、最後の(5)検証の段階で新たな改良ポイントが見つかることがある。
その場合は、(1)共感・(2)問題定義に戻り、「消費者に共感できていなかったのではないか」、「定義した問題がずれていたのではないか」などと考え、問題を再定義していくことが必要だ。

また、(4)プロトタイプの試作品が、一つ目で消費者に受け入れられることは稀である。
その場合は、(3)創造、あるいはさらに前のステップに戻り、より消費者に求められるアイデアを創造をしていかなければならない。

デザイン思考のプロセスを繰り返すことで、より確実に問題を解決できるようになる。

まとめ

デザイン思考は、商品開発だけでなく、日々の業務における身近な問題や、社内の様々な課題の解決にも活用することができる。

相手の立場に立ち(共感)、どんな問題が起きているか把握し(問題定義)、どう解決するか考え(創造)、試しにやってみて(プロトタイプ)、うまくいったか振り返る(検証)。

このようなデザイン思考を知り、問題発見だけでなく、問題解決までできるようなスキルを身につけてほしい。

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