何事も目指すべき目標がないと、なかなか成長はない。
人材育成でも同じだ。だからこそ、年間の目標だったり、売上目標だったり、月次の面談などで目標管理をしているはずだ。
しかし一方で、色々の企業の話を聞くと、「どういった存在になってほしいのか?」というのが明確化されていない場合が意外と多い。
どういった存在になってほしいのか?
これは本来的には具体的な目標よりも大事なものだ。
営業目標などはともかく成長目標は、
- どういった存在になってもらいたい
- その過程としての目標設定
であるべきだ。
少なくとも5年先を見据えたい。
大体の場合、1年目だと「その部署にある仕事を一通り覚えてこなせるようになる。」などの目標になりがちだ。
そうではなく、
「5年後はこうなっていてほしい。これらの仕事はすべてその将来像に繋がるものだから、早く覚えてほしい。できれば5年後ではなく、4年後でも3年後にでも、目標とする状態に達していてほしいと思っている。そのための支援は惜しまない」
という状態が、人材育成として健全な姿だ。
期待されるから人は伸びる
期待されてこそ人は伸びる。
小学校で特進クラスと通常クラスを誤って割り振ってしまった結果、本当は通常クラスに行くはずの子供達の方が成績が良くなってしまったという有名な話がある。
これは、周りの期待値が自分自身のイメージに直結するからだ。
結局、人間は単純にできていて、思い込みの力だけでどこまでも進んでいけるものだ。スポーツでは勝てると思い込んでいる方が活用に、ビジネスでも自分がこういう存在になれる!なる!という思い込みが成長を早くしてくれる。
だからこそ、しっかりとそれぞれの社員に期待をするべきだ。
しっかりと文章として渡す
もちろんこうなってほしいと伝えるだけではなく、文章として手渡すことが必要だ。
これは、本人のためでもあるし、上司のためでもある。
文章としてみることで、本人は口頭で言われるよりも強く意識するようになる。実際の行動に反映されていく可能性も高い。
上司にしてみると、ぶれなくて済むという効果がある。口頭でいうと、年月が経つにつれて当初言っていたこととずれてきてしまう。文章に残すことで、「明瞭な期待」を伝えることができる。
また、途中で変更がかかっても、それを明確に文章で渡すことで信頼感も上がる。
どういった存在になってほしいのか?
本人の目標や意思ももちろん重要だし、それは必ず確認しないといけない。
ただ、上長からの期待もしっかりと渡すことで必ず効果が出てくる。
どういった存在になってほしいのか? 社員に明確に伝える習慣をつけてみてはいかがだろうか?
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