第二新卒向けキャリア研修がなぜOJTだけでは足りないのか

第二新卒
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第二新卒で採用した社員をなるべく早く即戦力に育成したいと考える人事担当者は多いだろう。

しかし、第二新卒の場合、社会人としての勤務経験の有無や企業の育成方法に差があるため、入社後に「思っていたよりも知らないことが多い」、「求められるようなレベルに達していなかった」などと感じることが多いのではないだろうか。

このページでは、第二新卒で入社した新入社員を少しでも早く即戦力に育成するために必要なことについてまとめる。人事担当者や研修担当者はぜひ参考にしてほしい。

転職市場では第二新卒が活発に動いている

近年、大卒者の内定率が過去最高水準で推移している一方、大卒者のおよそ3人に一人にあたる31.8%は入社後3年以内に離職している、という問題が起きている。

苦戦しながらやっとの思いで新卒採用し、大事に大事に育ててようやく一人前になってきたと思ったらあっさり辞めてしまう、という悔しい思いをしている人事担当者も多いのではないだろうか。

しかし別の見方をすると、今の転職市場には入社してから数年で辞めてしまった有望な若手がたくさんいるということだ。

このような時代に、第二新卒の採用に力を入れない手はないだろう。

第二新卒に多い傾向とは

第二新卒の入社までの経緯には、以下のような傾向が見られる。

・新卒で入社したが数年で退職してしまった。
・新卒で入社せずに公務員試験を目指していた。
・新卒で入社せずにフリーターをしていた。

同じ第二新卒でも、社会人経験があるかないかでその基礎能力には大きな差が出てくる。

社会人経験のある第二新卒を採用するメリット

どこかで社員として働いた経験がある第二新卒を採用する場合、社会人としての一般常識やマナーについての指導は終えていることがほとんどだ。

また、前職が同じ業界なら、業界知識や業務スキルについても使い回せることが多く、入社後に短期間で即戦力になることも期待できる。

さらに、前職の経験から自社でいかせるノウハウを手に入れることができる場合もあり、企業としては新卒よりも第二新卒の方が採用メリットが大きい場合も少なくない。

特に研修担当者としては、「入社後に一般常識から指導しなくていい人材」というだけでも魅力的に感じるだろう。

社会人経験のない第二新卒を採用するメリット

何かの理由で新卒時に就職しなかった第二新卒を採用する場合は、社会人としての基礎能力は新卒と同レベルだと考えておくのが妥当だ。

しかし、このタイプには他の若手社員よりも強い危機感があることが多いため、その分、成長意欲が高く、成長スピードも早いのが魅力だ。

学生時代の同級生や同じ年齢の人たちが、社会に出て数年経ち、経験を積んで実績を上げている現状に危機感を覚え、「このままではダメだ」、「自分も社会に出なくては」と思い、「同年代の人に負けたくない」という強い決意で就職活動をするケースが多い。
そこに魅力を感じて採用した人事担当者も多いのではないだろうか。

また、他の会社の常識や価値観がまだ刷り込まれていないため、自社の色に染めやすいのもとても大きなメリットだ。

全ての第二新卒にキャリア研修が必要

通常の新卒や社会人経験のない第二新卒であれば、一から丁寧に指導しようと考える人事担当者も多いだろう。
しかし、社会人経験がある第二新卒も過度な期待は禁物だ。

企業により新人育成にかける時間や労力には大きな違いがある、
そのため、新卒時にどのような企業に入社したかにより、同じ勤続年数でもその成長度合いに大きな差が出てきてしまう。

また、仮に同じ企業で同じ研修を受けたとしても、本人の能力やモチベーションによって、その成長度合いは大きく左右されてしまうだろう。

第二新卒のOJTの問題点

近年は特に、OFF-JTによる研修を必要最低限の内容しか行わず、すぐに現場に入れてOJTで育成していく企業が多い。
そのため、以前よりも新人の成長に時間がかかっていると感じている人事担当者も増えているだろう。

一般的に、OJTは指導する側のスキルやモチベーションにより、指導を受ける人の成長に差が出てしまうものである。

そのためにも、OFF-JTによる研修で新人の基礎能力を一斉に底上げし、限りなく即戦力に近い状態で現場に送り出すことが、その後の成長を促進する重要なポイントとなっている。

基礎能力が統一されてない第二新卒だからこそ、OFF-JTで求められる知識やスキルを整えることがとても重要だ。

第二新卒を指導する際の注意点

第二新卒を受け入れる際に、わかっているものだと勝手に思い込んで指導機会を逃すことは、新入社員の成長を遅らせることに繋がりとてももったいない。

人事担当者や研修担当者は、以下に注意して指導していくと良い。

・過度な期待を持たない。
・できないことが当たり前だと思っておく。
・前職の経験と身についているレベルは比例しないと考える。
・自社の常識は他社の非常識、他社の常識は自社の非常識であることを理解する。
・知っておいてほしい知識やルールは改めて指導する。

第二新卒の新入社員に指導しておきたいポイント

第二新卒で入社した社員が、なるべく早く同年代の社員と同じ、あるいはそれ以上に活躍できるように、以下のポイントに注意して指導していくと良い。

一般的なビジネスマナーをおさらいする。

自社の社員として恥ずかしくないようなビジネスマナーは改めて指導する。

挨拶、言葉遣い、ホウ・レン・ソウ、電話応対、接客対応など、社会人としての一般常識やマナーをロールプレイで確認しながら、できていないところを補っていくよう指導するのが良いだろう。

特に営業職や販売職など、顧客と直接やり取りすることが求められる職種の場合、このスキルレベルの確認は必須だ。

自身の強みと弱みを理解させる。

第二新卒の社員がなるべく早く即戦力になるためには、今の自分自身の立ち位置をはっきりさせておく必要がある。

これまでの経験(社員としてだけでなくアルバイトやプライベートも含め)を振り返り、同僚が持っていないようなスキルや経験を一つでも多く見つけて、自信を付けていくことが重要だ。

また逆に、これはやったことがない、ここでは負けている、といった自身の弱みについても把握し、今後の成長の糧にすることも必要だ。

これらの自己分析を通して、自分自身がこれからどのように会社に貢献していけるのかをまとめ、より主体的に働けるように指導していくと良い。

会社の基本ルールを共有する。

第二新卒を早く自社の社員として馴染ませるため、社内ルールはすぐにでも共有しておきたい。

中でも会社のミッションやビジョンは、同じ方向を向いて仕事をしていくためのわかりやすい指標になるため最も重要な共有事項だ。

また、社内用語や行動規範、さらに暗黙のルールについても共有し、第二新卒の社員が不安なく働けるように情報提供していく必要がある。

即戦力になるための目標を設定する。

どの第二新卒でも、「できるだけ早く成果を出す」ことはとても重要だ。

そのためには、自分自身のスキルアップだけでなく、業界や自社商品についての知識向上も求められるだろう。

指導の際には、これからやるべきことをまとめ、短期的な目標を立てて着実にクリアさせていくことが必要である。

また、新しい環境になった今だからこそチャレンジできることもある。

自身のさらなる成長のために、長期的な目標を立てることがとても大切だ。

まとめ

第二新卒で入社する社員は、「次こそ長く働きたい」と考えている人が多い。

また、このページを見ている人事担当者や研修担当者は、第二新卒の社員に「早く慣れて、活躍して、多く会社に貢献してもらいたい」と考えていることだろう。

そのために、上記の注意ポイントを意識しながらキャリア研修を行い、一人でも多くの第二新卒社員を即戦力に育成してほしい。

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