一部の部下の営業成績が上がらずに困っているマネージャーは多いだろう。
長期的に成果をあげている営業パーソンは、強い営業意識を持っているものだ。
このページでは、チーム全体の売上アップを実現するために、営業意識強化研修で指導したいポイントについてまとめている。
売上責任のあるマネージャーや研修担当者はぜひ参考にしてほしい。
Contents
成功体験を共有して苦手意識を克服する
営業成績が上がらない理由として、営業に対して苦手意識を持っていることが挙げられる。
「営業が苦手」「営業があまり好きではない」という人は、「人に商品を押し売りするのが好きではない」と考えていることが多い。
また、「営業したことでお客様に喜んでもらえた」という成功体験が少ない人も、営業に苦手意識を持ってしまいがちだ。
営業意識強化研修では、営業への意識を変えるために、上司や先輩の体験談などお客様に喜んでもらえた事例を多く取り上げ、押し売りではなく「顧客への貢献」が結果的に売上に繋がるという営業の本質について理解させたい。
営業マインドについて考える
営業マインドとは、文字通り「営業に対する考え方(マインド)」であり、人それぞれ違った考え方を持っているものである。
経営学者ピーター・ドラッガーが著書の中で触れている「3人の石切り職人」のお話をご存知だろうか。
著書の中では、教会の建設地で仕事をしている3人の石切り職人に対し、道行く人が何をしているのか聞いた際に、それぞれこう答えたと書かれている。
1人目の職人:「ここで暮らしを立てているのさ」と答えた。
2人目の職人:「国中で一番上手な石切りの仕事をしているのさ」と手を休めずに答えた。
3人目の職人:「教会を作っているのさ」と目を輝かせ夢見心地で空を見上げながら答えた。
3人の石切り職人の仕事に対する考え方は、以下の通りと考えられる。
1人目の職人:「自分の生活のために仕事をしている」と考えている。
2人目の職人:「自分の技術を世に知らしめるために仕事をしている」と考えている。
3人目の職人:「人々に心の安らぎを与える教会を建てるために仕事をしており、教会が建たないと意味が無い」と考えている。
それぞれの仕事に対する考え方の違いは何か。
1人目・2人目の職人は「自分のため」に仕事をしているのに対し、3人目の職人は明確なビジョンとミッションを持ち、「誰かのために」仕事をしている。
営業に苦手意識を持っている社員は、この1人目・2人目の職人のように「自分のため=自分の成績のため」に営業をしていることが多い。
3人目の職人のように、「誰かのため=顧客のため」という営業マインドを持つことで、仕事にやりがいを感じ、営業への苦手意識も少なくなっていくだろう。
営業意識強化研修では、仕事のビジョン・ミッションを明確にするとともに、「お客様のために最速で提案をする」、「お客様のために最後まで諦めずに提案し続ける」、「お客様に誠実であり続ける」など、自分なりの営業マインドについて考えさせたい。
モチベーションコントロールを身につける
成果を出し続ける営業パーソンは、モチベーションコントロールに長けていることが多い。
逆の見方をすると、営業成績に波がある営業パーソンは、モチベーションコントロールがうまくできず、スランプの時期が長くなってしまったりする。
営業意識強化研修では、モチベーションコントロールのコツについて指導し、普段から実践できるようにスキルを身につけさせたい。
モチベーションを大きく下げない
モチベーションコントロールのコツは、モチベーションを大きく下げないことだ。
大きく下がったモチベーションは、無理に上げようとしてもそう簡単には元に戻らず、気持ちを切り替えることは難しい。
また、モチベーションを常に高く保つように意識しても、どこかに無理が生じて長続きしないものである。
物事をネガティブに捉えない
モチベーションコントロールのコツは、物事をネガティブに捉えないことだ。
何か起きたときに悪い方に考えてしまうと、それがモチベーションを下げる要因になってしまう。
普段からネガティブ傾向にある人は、「今ネガティブに捉えてしまっている」と自覚するところから始めると良い。
自分の営業ルーティーンを持つ
モチベーションコントロールのコツは、自分の営業ルーティーンを持つことだ。
営業ルーティーンを持つことでモチベーションに左右されずに営業することができ、その結果、営業成績が安定してモチベーションを維持することができる。
営業ルーティーンが固まらない人は、営業成績が高い人のルーティーンを観察し、真似るところから始めてみると良い。
まとめ
ここまで、営業意識強化研修で指導したいポイントについてまとめてきた。
マネージャーや研修担当者は、営業意識強化研修を通して仕事のビジョン・ミッションを伝え、従業員一人ひとりに営業マインドを構築させながら、営業のやりがい・楽しさを感じて前向きに働ける営業パーソンを育成してほしい。