新入社員が知っておくべきストレスマネジメントの基礎知識

ストレスマネジメント基礎
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社会に出て間もない新入社員は、初めて直面するストレスにどう対処すれば良いのか戸惑ってしまう人も多い。

このページでは、新入社員が知っておくべきストレスマネジメントの基礎知識についてまとめている。

新入社員だけでなく、これからストレスマネジメント研修の実施を考えている研修担当者もぜひ参考にしてほしい。

ストレスとは?

ストレスとは、心や体に変化を生じさせる様々な刺激のことや、その刺激を受けている状態のことを指す。
一般的に、ストレスには以下の4つの要因と3つの反応があるといわれている。

4つのストレス要因(外部刺激)

(1)物理的要因(音、温度、湿度など)
(2)化学的要因(金属、薬品など)
(3)生物学的要因(ウィルス、花粉など)
(4)心理社会的要因(災害、家庭問題、仕事など)

3つのストレス反応

(1)身体反応(めまい、頭痛、睡眠障害など)
(2)心理的反応(緊張、不安、抑うつ、集中力低下など)
(3)行動反応(飲酒量増加、遅刻早退、ギャンブルなど)

ストレス要因によってストレス反応が起こるが、例えば「指摘の多い先輩Aに対し、それをプレッシャーに感じる後輩Bもいれば、それほどでもないと感じる後輩Cもいる」ように、ストレスの感度や認知には個人差があるため、反応にも違いが出てくる。

仕事におけるストレス

仕事におけるストレスは、上記のストレス要因のうちの「(4)心理社会的要因」によって引き起こされる。
例えば、以下のような要因が挙げられる。

【人間関係】

・上司や同僚との付き合い
・パワーハラスメント
・セクシャルハラスメント

【キャリア】

・配置転換
・昇格や降格、解雇
・仕事と能力の不整合感

【業務・職務】

・長時間労働、休みが取れないなど業務量過多
・責任が過大または過小
・納期、業務ミス、顧客クレーム

ストレスを軽減させる4つのアプローチ

心理社会的要因は心の問題であるため、メカニズムの分析が難しく、また軽減する方法も人によって異なってくる。
一般的に効果的だとされているのが、以下の4つのアプローチ方法だ。

1. ストレス要因に直接手を打つ

要因となっている問題と真正面から向き合い、解決を図る。

2. ストレス感度・認知を変える

あえて問題を楽観視してみる。
開き直って気持ちをリセットする。

3. レジリエンス(復元力)を鍛える

生活の基本を整える。
運動・旅行・趣味など、何かに没頭し、感情を発散させる。
ヨガやアロマテラピーを行う。
ペットを飼う。
リラクセーション法を取り入れる。
仕事に自分なりの意味を持つ。

4. サポートを受ける

家族や友人に話を聞いてもらう。
上司に相談する。
社内の相談窓口に連絡する。

ストレスを前向きに捉える

ストレスはなくすことができないため、ストレスを味方にして共存していくことが大事だと考えられている。
そのためには、ストレスに対する考え方を見直さなければならない。

仕事におけるストレスは、初めての業務や苦手な業務を行う際に感じることが多い。
その業務を自身の成長のためだと受け入れることで、ストレスを前向きに捉えることができるようになる。

ポジティブなストレスマインドセット

ストレスマインドセットとは、ストレスに対する思い込み方法のことだ。
ストレスを感じた時に、以下のどちらのマインドセットが自分に近いか考えてみよう。

1. ネガティブなマインドセット

・ストレスがあると、健康や活力が損なわれる。
・ストレスがあると、パフォーマンスや生産性が低下する。
・ストレスがあると、学習や成長が妨げられる。
・ストレスは悪影響をもたらすため、できるだけ避けるべきだ。

2. ポジティブなマインドセット

・ストレスがあったほうが、パフォーマンスや生産性が向上する。
・ストレスがあったほうが、健康や活力の向上に役立つ。
・ストレスがあったほうが、学習や成長に役立つ。
・ストレスには良い効果があるため、利用すべきだ。

一般的には、1のようにストレスをネガティブに捉える人が多い。
しかし、ある実験では、「ストレスは役に立つ」とポジティブに考える人ほど、うつ状態になりにくいとともに、人生に対する満足度が高いという結果が出ている。

また、ストレスをポジティブに考えることで、行動もプラスに変化していくのがマインドセットの大きな効果である。

マインドセットが行動変化を起こす例

入社半年の営業職の社員Aが、成約をあげられずに悩んでいる。
周りの同期はみな順調に成績をあげ、自分も同じように仕事をしているつもりなのにどうしてなのか。

1. ネガティブなマインドセット

・「こんなにストレスを感じるのは、自分に営業は向いていないからだ」と考える。
 ⇒行動変化:だから先輩のテクニックを盗んだり、自宅で勉強するのはもうやめよう。
・「こんなにストレスを感じる仕事はもう嫌だ」と考える。
 ⇒行動変化:仕事を忘れるためにお酒ばかり飲んでいる。それで遅刻も増えた。

2. ポジティブなマインドセット

・「なぜ自分だけ成約を上げられなくて、こんなストレスを感じるのだろうか」と考える。
 ⇒行動変化:自分の成績を受け止め、できない理由を真剣に考える。
・「このストレスを減らすには、どうすれば良いのだろうか」と考える。
 ⇒行動変化:成約を上げられるように同期や上司、先輩に相談する。

このように、できるだけポジティブなストレスマインドセットで仕事に取り組むことが重要である。

まとめ

ここまで、新入社員が知っておくべきストレスマネジメントの基礎知識についてまとめてきた。

仕事でのストレスは完全になくすことはできない。
であれば、うまく共存する方法を身につけるべきである。

新入社員向けストレスマネジメント研修を通して、できるだけ早いうちに知識を習得しておくのが良いだろう。

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