残業を減らしたい!タイムマネジメントの5ステップ

タイムマネジメント
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

誰もが望まないにも関わらず、まだ日本の企業で残業が多いのはなぜだろうか?

このページでは、残業が起こる仕組みと労働時間を減らすためのタイムマネジメントの5ステップについてまとめている。

日々残業に追われている人や、チームの労働生産性を高めたいと考えているマネジャー・管理監督者は、ぜひ参考にしてほしい。

労働と時間の考え方の変化

高度経済成長期の日本では、物を作れば作るほど売れ、働けば働くほど明るい未来が広がっていった。
また、その頃の労働者はほとんどが男性で、家のことを専業主婦の妻に任せっきりにすることができたため、長時間働いて稼いでくることが当たり前の時代だった。
その結果、徐々に残業文化が社会に根付いていったのである。

しかし、近年は消費者のニーズが多様化し、人と同じものを好まなくなったため、大量生産が適さない時代となった。
また、労働者も男性だけでなく、女性、高齢者、外国人など多様化しており、今までのように仕事だけに時間を使うことができなくなっている。

そのため、短時間で成果を出すことが求められるようになり、効率的に働き、生産性を高めるための「タイムマネジメント」のスキルが必要になってきたのである。

残業がもたらすリスク

残業がもたらすリスクには、どのようなものがあるのだろうか。
個人と企業の両面から考えてみる。

残業がもたらす個人リスク

(1)健康を失うリスク

働く個人にとって最も大きなリスクは、健康リスクである。
長時間労働を続けることにより、健康面やメンタル面でのリスクが増すことは、誰しもが納得することだろう。

(2)プライベートを失うリスク

この先の長い仕事人生を生き抜いていくには、スキルアップのための学びや経験を主体的に積み上げていくことが必要だ。
また、仕事に集中するために、仕事とプライベートを切り分けて余暇の時間を確保することも重要である。
残業が増えることで、このようなプライベートの時間を失うリスクが増してしまう。

残業がもたらす企業リスク

(1)採用が難しくなるリスク

今の若手社員は長時間労働を嫌う。
また、中堅社員は育児や介護のため、そもそも長時間労働を強いる企業では働けないという人も多い。
残業が増えることで、新規採用が難しくなるリスクが増していく。

(2)人材流出リスク

残業に対する労働者と社会の考え方が変わったことで、労働時間の短さが、企業の魅力として映るようになってきた。
長時間労働であればあるほど、人材流出のリスクはさらに拡大していくだろう。

(3)コンプライアンスリスク

働き方改革で労働基準法が改正され、2019年4月から全ての企業で、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年5日の有給休暇の取得が義務化された。
また、以前は法律上の残業時間の上限が無かったのに対し、2019年4月からは、原則として残業時間の上限を月45時間・年360時間と定め、これを超える残業はできなくなった。
今後は、労働者のタイムマネジメントが適切に行えない企業は、間違いなく行政や社会からの制裁を受けるリスクが高まっていくだろう。

残業が起こる仕組み

長時間労働が個人や企業に大きなリスクをもたらすにも関わらず、なぜ人は残業してしまうのか。
ここではその仕組みについて説明する。

1.ある種の達成感が得られる

頑張ったところで成果が上がるとは限らない。
しかし、長時間働いたことが一つの頑張った証となり、成果は出なくてもある種の達成感は得ることができる。

2.特定の人に業務が集中する

一般的に、仕事ができる人に業務が集中する傾向がある。
仕事ができる人はより効率的に仕事をしようと工夫し、残業時間が減ってくるとさらに上司から新たな仕事を与えられる。
その結果、慢性的に労働時間が増加してしまうのである。

3.帰れない空気が職場に蔓延している

自分の仕事は終わっているのに、上司が残っていて帰りにくいという職場も多い。
また、業績が悪いのに早く帰っては怒られると思い、無理に残業している人もいるだろう。
このような帰れない空気の蔓延で、全員の労働時間が増えてしまうのだ。

4.上司が残業を肯定している

残業が当たり前という環境で育った上司は、残業を厭わない部下を評価する傾向がある。
また、残業することにより成長できたと考えている人も多く、それを部下に伝えることで、部下も残業することが必要だと考えるようになってしまう。
「長時間働くこと=努力をしている」という見方になっていないか、自身の評価基準を見直すことが必要だ。

5.残業代が家計の一部となっている

残業代を前提として、家計を組み立てている人は多い。
そのような家庭において、残業代が減ることは死活問題だ。
そのため、残業を減らす努力をあえてしないという人もいる。

タイムマネジメントの5ステップ

それでは、どうすれば労働時間を削減することができるのか。
以下に、マネージャーや管理監督者のためのタイムマネジメントの5ステップを紹介する。

1.残業時間を見える化する

まず、残業時間の見える化を進める。
ここで大事なのは、どのように残業が発生しているのか、その仕組みを理解することだ。
サービス残業が行われていないか、特定の部門や人に残業時間が集中していないか、なぜか全員同じように残業していないか、などについて確認することが重要である。

2.やらないことをジャッジする

次に、今やるべき仕事とそうでない仕事、受けるべき仕事と受けなくていい仕事についてジャッジする。
ここで大事なのは、仕事の優先順位についてよく考えることだ。
「やることはいくらでもあるんだけどね」という言葉をよく聞くが、「やらないこと」をジャッジしてマネジメントしなければ、自身もチームも疲弊し、長期的にパフォーマンスを発揮することは難しくなるだろう。

3.コミットメントを高める

次に、いつまでにどの程度の労働時間を削減するかの目標を立て、適切な施策を実施する。
ここで大事なのは、やると決めたことは職場全体として主体的に取り組むことだ。
会社の本気度を伝え、効果がないといった否定的な意見にも耳を傾け、何があっても施策を継続させていくことが重要である。

4.オープンなコミュニケーションを心がける

次に、日常のコミュニケーションをさらに深めていく。
ここで大事なのは、作業の無駄を気軽に指摘し合えるようなオープンな風土の職場を作り上げることだ。
部下の発言を拾い、できるだけその意見を採用する、大事なことは何度も繰り返し伝えるなど、コミュニケーションを深めることで施策をさらにブラッシュアップし、労働時間の削減目標に近づけていくことが重要である。

5.効果を見える化し、残業代を還元する

最後に、成果をまとめて見せ、社員に還元する。
ここで大事なのは、労働時間を削減できれば自身にメリットがあると実感させることである。
それが継続的な労働時間の削減に繋がっていく。

まとめ

残業ありきの働き方で成果を出す時代は終わった。

そのため、マネージャーや管理監督者は、残業が起こるメカニズムを知り、残業をしなくても成果の上がるチームを作らなければならない。

このページを参考に少しでもタイムマネジメントの意識を高め、限られた時間の中で成果を出せる人材になってくれることを願っている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

このページの続きや関連ページは下記から一覧で確認できます。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*